・ ページ3
・
dy「30分って言ったのに40分経ってるよ」
そう言いながらも先に行かないで待っててくれたお兄ちゃん。
やっぱり優しいし、わたしに甘い。
「うん。でもゆっくりでいいよって言ったのはお兄ちゃんでしょ？」
dy「はいはい」
ため息つかれちゃった。
わたしは普段バスで通勤するんだけど、今日みたいにお兄ちゃんが家を遅く出る日は一緒に乗せていってもらう。
やっぱり車の方がだんぜん楽だなあって隣のお兄ちゃんに言ったら そうでしょ？ だって。
明日も乗せてくれる？って聞いたら、仕事溜まってなかったらいいよって返事をされた。
会社のビルに着くと、いちばん最初に顔を合わせるのは警備員さん。
今日はいつもの警備員さんの隣に見慣れないひとが立っていた。新しく入った人なのかな。
｢おはようございます｣
近づいて挨拶をしてみると、やっぱり今年から入ったひとみたい。イジェノさん、っていうらしい。
わたしたちも軽く名前を言って挨拶をすると、
社長の息子さんと娘さん、って隣の先輩警備員さんが小声で補足説明をしているのが聞こえてきた。
dy ｢ジェノさんは何歳なの？｣
jn ｢00年生です｣
dy ｢わあ、Aと同じだ。この子も00年生なの｣
そう言われてるとそうなんですか、ってにこっと笑う彼に
びっくりする。だって笑った顔が夢に出てくるあの男の子とまるまる一緒なんだもん。
しかも。イジェノ、言われてみればあの男の子もそんなかんじの名前だった気がする。
「A、どうしたの？行くよ」
ちょっとぼおっとしたわたし。
お兄ちゃんの声で我にかえって
「あ、では失礼します、！」
不思議そうに眺めるジェノさんを置いて、わたしは社員証をかざして 中へ入っていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 879人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みる | 作成日時：2023年11月22日 16時
