Top Secret (ページ20)

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わたしたちの商品の記事が掲載された雑誌が会社に届いたらしい。遅刻しかけたけれどジェノくんのおかげでなんとか危機を乗り越えた、あのときのもの。

いちばん最初はキムチーム長が読みなよって室長に言われてロビーへと向かった。

｢わあ〜大量ですね｣

部署ごとに配るからダンボールがいっぱいにあって

『チーム長、重いので僕が持ってきますよ』

って先輩警備員さんの声。

ちらっと近くにいるジェノくんと視線があったのにまたすぐ逸らされた。
この前は小さい荷物だとしても運んでくれたのに。

どうして今日は目も合わせてくれないの？

実際あのときがいちばん楽しかったのかも。

ぺらぺらと雑誌のページをめくっても、内容なんて全然入ってこない。

ぴこんぴこんと連続でメッセージがきて
いまそれどころじゃないのに！って機嫌悪くなりながらも通知を覗いたらあのお見合いのひとだった。

ご飯いきませんか？って何度目かわからないお誘い。

いつもは仕事を言い訳にして断っていたんだけど
１回ちゃんと話してみよう。
わるいひとじゃないかもだし。
片想いが上手くいかなくてちょっとヤケになってる部分もあって

' いいですよ '
' いつにしますか？ '

そう返事を打ち込んだ。