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doyoung side
｢あのひとどう思う？｣
車の中で今日貰った花束を抱えながらそう尋ねるA。
連絡先の交換だとか、会う日の約束はなんとかあいだに入って回避できたけれどこの花束だけは断りきれなかった。
｢でもお兄ちゃんはわたしが結婚とかそういうの、反対だもんね｣
dy ｢や〜オッパもいじわるで言ってるわけじゃないんだよ。Aのことがすきじゃなくてもお金とか地位を手に入れるために近寄ってくる男の人がいるからいつも心配しているだけで｣
そう言うとほんとに納得したのか
｢はあい｣
と気の抜けた返事をする。
dy ｢ちゃんとAのことがすきなひとなら…｣
そう言ってウェディングドレス姿のAを想像してみたら。
あれ、なんか胸が苦しいな。
なんならいま抱えている花束もウェディングブーケに見えてきたし。
dy ｢でも1ヶ月は寝込むかも｣
｢長すぎない？｣
あの有名な財閥の息子さんを調べてみたら、女絡みで特に変な噂はなくてまだ良かった。お父さんの知り合いといっても知り合いの知り合いの息子さんらしいから関わりは薄く、詳しいところまでは分からないから油断はできないけれど。
なにかの集まりか噂でAのことを知ったのかな。
あの子、かわいいから。
いつかはこんな話は来るだろうとは思っていたけれど、こんなに早いとは。
｢正直 お見合いとかはいやだよ？
でも ご飯食べて１回話すくらいならいいかなって。
断るにしてもそうしないと気が済まなそうな感じするし｣
そう言って花束に挟まれたメッセージカードに書かれた連絡先をなぞるA。
dy ｢うわ！そんなところに仕込んでたのか？｣
断れたと安心してたのに。しぶといな。
車の右折時に風に乗ってむわあんと漂う花の香りが今日は鬱陶しく感じた。
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作者名：みる | 作成日時：2023年11月22日 16時
