be my baby (ページ39)

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時計を見ればもうご飯を作るにはいい時間で
今日はね、ロンちゃんの家でいままでしてきた特訓の見せどころ。感動して涙が出ちゃうくらい美味しいの作ってあげるんだって意気込むわたし。

「今日はわたしが夜ごはん作るね」

そう言えば喜んでくれるかな、って期待していたけれど。

あれ？

キッチン行こうとしたらするすると腕引っ張られてわたしはあっという間にナナちゃんの腕の中。

jm「ご飯は後でいいよ、
いまはナナとの時間でしょ？」

腕の中におさまったわたしに何回か続けて唇をおとす。
突然ですこし驚いた様子のわたしにも気づいた様子もなくひたすら一方的に。ちょっと苦しい。

嫌なわけではないけれど、ちょっと強引な気がして不思議に感じる。いつもとはちがう。

「酔ってるの？」

jm「ううん、飲んでない」

「どうしたの、なんかいつもと違う…」

なんかあったのかなっていっぱい考えてみるけどあんまり思い当たらなくて。

頭を悩ませていたらナナちゃんが先に口を開いた。

jm「正直さびしかった」

jm「大学生になって一緒に過ごす時間は減るし、その間にAちゃんはかわいいって色んな子に噂されてる話きくし、Aちゃんはいろんなことできるようになったし…」

jm「これ以上かわいくならないで」

そんなこといいながらまたわたしを強く抱きしめるの。

これ以上かわいくならないでっていうけれど、わたしもこれ以上かっこよくならないでって思う。
大学生になってから髪を染めたナナちゃんは魅力が倍増して、学内どころか大学を超えて噂が広まってるらしい。
それに加えて賢くてすっごく優しくて。
ひそひそと噂をする声が聞こえるたびナナちゃんが彼氏だって誇らしくなったんだけど、それと同時に彼女はわたしでいいのかなって不安になるときもあった。

だから、ちゃんと見合った女の子になれるようにメイクもファッションも勉強したし、なんでもできるようなすごい子になりたいなってそう思った。

わたしを突き動かすのも幸せな気持ちにするのも、不安な気持ちにするのもななちゃんだけなんだけど、
ちゃんと伝わってなかったのかな。