be my baby (ページ32)

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「ナナちゃんの声きくの、ひさしぶりだ」

jm「ふふ、そうだね」

「ねえ、いろいろ落ち着いたらまたデートしよう？」

jm「うん、いいよ。行きたいところ考えておいて」

そう返事をしてくれるけれど、なんとなく電話越しの返事が元気ない気がした。

わたしはよく鈍感だとか言われるけれど、こういうのだけは鋭い自信はあって

「いまから会いに行ってもいい？」

気づけばそんなことを口にしていた。

jm「なあに、急に来るなんて寂しかったの〜？」

玄関のドアを開けてお迎えしてもらう。

「うん。急に会いたくなったの」

進学を機に引っ越した新しいお家はまだ慣れない。

入ってすぐのところの机には
辞書みたいな分厚い教科書がいくつか開いたまま置いてあって
最近の忙しさが目に見えてわかった。

jm「これどうしたの？」

ナナちゃんが興味を持ったのはわたしが持っている手提げ袋。

「あ、これね。今日はわたしがナナちゃんに料理を作ってあげようと思っていろいろ買ってきたの！」

いま思えばいつも料理をつくってもらう側で、
でもたまにはわたしだってやらなきゃいけないって思ったから。

そろそろわたしもなんでもひとりで出来るようにならなきゃいけないし。