be my baby (ページ25)

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もうこの空間にいたくなくて、いつもは誰よりも遅いのに今日はものすごい早さで着替えて更衣室から出ようとすると

「あれ、Aちゃん今日はやいね」

ユラちゃんに不思議がられる。

「喉乾いたから自販機で飲み物買いたくて」

てきとうに嘘をついた。

でもせっかくだし、まだ次の授業まで時間があるからいちごミルク買いに行こうと思って購買の方向へ向かうと、ちょうどナナちゃんとすれ違う。

JM「あ、Aちゃん。ちょっとこっちきて」

わたしを見つけるなり手招きして呼ぶから、どうしたんだろうと思いつつも素直に従った。

JM「ネクタイ、曲がってるよ」

そういって、少し屈んでわたしと同じ背丈になってネクタイを直してくれる。さっき確認もしないで逃げるように慌てて出てきたからちゃんとできてなかったみたい。
たっていた襟まで直してくれた。

「ありがとう」

JM「ほんとAちゃんはナナがいないとだめだね」

「うん」

ナナちゃんの手がポンとわたしの頭に置かれて
さっきまでのどろどろとした感情は消えたのに。

「ジェミンくん！次の授業って数学だよね？」

着替え終わったロアちゃんがナナちゃんを見つけるなり声をかけた。わたしとナナちゃんが話しているとまた間を遮るようにくるから、ロアちゃんがナナちゃんのことがすきだってことくらい、いくら鈍感なわたしでもさすがにわかる。

わたしなんか視界にないみたいに完全に無視してナナちゃんに話しかけるロアちゃんを横で見ながら、なんとなく悔しくて、
でもナナちゃんがすきなのはわたしだもん！って心の中で呟いてみる。

でもあれ、なんでわたしこんなにむきになってるんだろう。