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ロンちゃんも球技苦手って言ってたけれど、わたしもあんまり得意じゃないこと、忘れてた。
開始早々、ドンヒョクにわたしが当てられてアウトになり、いまはコートの外でロンちゃんとふたり座って応援中。
することがなくてロンちゃんと雑談していたら試合中なのにドンヒョクがからかいに外野まで近づいてきた。
HC ｢ふたり並んでかわいいでちゅね〜｣
ふっかけられた喧嘩にすぐ反応して、ドンヒョクの首に腕を回すロンちゃん。いま授業中なのに。
「戻らなくていいの？」
ふたりが後ろで騒いでいるから、そう声をかけたんだけど、案の定 ガードがいない状態のドンヒョクのペアの女の子は当てられてアウトに。
ちゃんと守ってあげないからだよって笑うロンちゃんは楽しそう。
次々とアウトになって人数が残ってくる中、ナナちゃんたちのペアはまだ残っていた。
ナナちゃんが庇うように手を広げたり、ロアちゃんがナナちゃんの肩を掴んでいつもより近い距離感に自分から断ったくせにわたしの中の黒い感情は気づかないふりができないくらいふつふつと湧き上がっていた。
早くアウトにならないかな、ってずっとそんなことばかり。
それなのにロアちゃんは華麗にボールを避け、その度にわたしの胸はちくちくと痛む。
授業が終わって更衣室で体育着から制服に着替えていると、聞きたくないのに耳に入ってくる言葉。
｢さっきのジェミンくんほんとに王子様みたいだった！｣
｢' お姫様を守る騎士 ' ってかんじ！｣
｢ロアちゃんいいな〜｣
｢ロア、ジェミンくんと出来てよかったね｣
｢うん｣
そうやって友達と楽しそうに話しているロアちゃん。
気になってロアちゃんを目で追っていると、視線を感じたのか、目が合いそうになったから慌てて逸らした。
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作者名：みる | 作成日時：2023年11月6日 17時
