be my baby (ページ18)

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電車に乗っているときから雲行きはすでに怪しく、降りたころには雨が強く降っていた。コンビニで傘を買ってなるべく早足で帰り道を急ぐけれど分厚い雲に覆われ、周辺は暗くなっていってわたしの恐怖心は増していくだけ。

やっと家が見えてきた。
そう思ったらわたしの視界は一瞬チカっときらめいてすぐにゴロゴロと嫌な音が響く。

昔からすこしだけでも明かりを点けないと眠れないくらい暗所は苦手で雷はそれ以上だった。音がおさまったと思えばすぐまた閃光が走り、もうやめてよ…と呟いてみても雷鳴に掻き消されてわたしの声は誰にも届かない。動けなくなったわたしはその場で耳を塞いで縮こまることしかできなかった。

JM ｢Aちゃん…？｣

わたしを見つけるなり、すぐかけ寄ってくれるナナちゃん。どうしていつも、わたしが困ってくれるときにいちばんに助けてくれるのだろう。

またピカッと光り、すぐさま雷鳴が轟く。
わたしは反射的にナナちゃんに抱きついていた。

JM ｢大丈夫？とりあえず中入ろうか、鍵ある？｣

そう言われて、ポケットを叩いてみたり、いつもしまっている鞄のポケットをのぞいてみたけれど。

｢…ない｣

今日は家を出るときまではロンちゃんいたから鍵かけないまま外に出て、そしていままでずっと鍵忘れたことに気づかず過ごしてたみたい。

JM ｢じゃあナナのところ来る？｣

わたしはうん、と無言で頷いて手を引かれるまま、ナナちゃんの後ろをついていった。