be my baby (ページ12)

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『Aちゃ〜ん』

放課後、HRが終わって教室を出たら聞き覚えのある声に呼び止められた。

『おれがいないとき寂しかった？』

って笑いかけるのはハルくん。

｢ん〜さびしくはなかったかなあ、ごめん｣

『え〜そっかあ、
ひいてみる作戦しようとおもったんだけど効果なしか…』

バスケ部のハルくんは背高くて、いつも屈んで話してくれる。

『ねえ、Aちゃん』

｢うん？どうしたの？｣

『一緒に帰らない？今日テスト近いから部活ないんだよね』

ごめんね、今日は約束があって。
そんなことを言おうとしたらその前に、わたしとハルくんの間を遮るようにナナちゃんが入ってきて

JM ｢ごめん、Aちゃんには先約あるんだよね｣

口元は笑ってるのに目が笑ってない、またそんな怖い顔をハルくんに向けている。

『そっか、それは残念』

｢掃除あるから終わるまで待ってて｣

さっきと同じひととは見えないほどとろけた優しい顔でわたしの髪の毛を撫でて隣の教室へと戻っていく。
どこで待ってようかな、わたしの教室もいまは掃除中だし。どこかいいところないかな、って探しながら歩いてると後ろから聞こえる足音。振り返らなくてもどうせハルくんだ。