藍沢先生。3 (ページ6)

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患者の受け入れ準備を整え、白石達を待っていると、ヘリから連絡が入った。

「こちら、翔北ドクターヘリ、ヘリの機内で患者が嘔吐、吐しゃ物を浴びた冴島さんが、意識を失いました。」

突然の白石の言葉に、初療室は一瞬にしてピリッとした空気に代わる。

「灰谷、白石も、..吐き気、めまいの症状が出ています」

俺はその言葉を聞いて、毒物かもしれないと思い、すぐにＣＳ室に向かう。

「あと何分ですか」

「およそ５分です」

「白石、除染の準備しておく」

「お願い..」

「除染って..なにがあったんですか」

「患者が何か毒物を持っていたかもしれない」

「ドクターヘリに乗っている全員が汚染されている可能性があります」

「わかった、初療室とヘリポート、救急外来は立ち入り禁止にしてもらう。患者の移動はこっちでやる」

橘先生の指示で、救急科はナースや患者らが慌てたようにジタバタと動き回る。

どうか、冴島も白石も灰谷も、無事であってくれ。