藍沢先生。2 (ページ28)

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ー横峯 side ー

あれから、無事にみんな処置を終えて、今は3人HCUにいる。

私は、ドレーンバッグの確認をしていた。

あー、緊張したなあ。藍沢先生相変わらずだし。

なんて思っていると、本人が目の前に来て

「換気がうまく出来ないくらいで、いちいち連絡してくるな。」

と言った。その声に、私は慌てて立ち上がる。

「緊張性気胸を疑ったんだろ」

「.. 疑いました」

「じゃあ自分でどうにかしろ。..それに、ヘリの中で制限があったとは言え、へたくそすぎだ」

「.. はい」

また怒られると思い、だんだんからだも声も小さくなってしまう。

「だが思い切ってそうを大きく取ったのは正解だ」

「.. はい」

「短い時間で確実にドレナージするのに最適な大きさだ」

「.. はい」

「それに、4歳の子を優先した搬送プランもよかった」

え、待って？私怒られてないよねこれ。え？

「.. え ..？」

「.. よくやった」

「え？」

藍沢先生はそれだけ言うと、黙って去っていった。

私は嬉しくて、側にいた雪村さんに話しかけた。

鬱陶しそうなかんじで避けられたけど。

その姿を冴島さんと白石先生が微笑んで見ていたなんて私はしらなかった。