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ー 緋山 side ー






救命が急患の対応をしてる中、私は宮本望海さんとそのお父さんと話し合いをしていた。




産む、と言い張って折れない娘と馬鹿で未熟な人間が子どもなんか育てられない、と言うお父さん。




出産って難しいからね、分かるよ。産んで終わりじゃないし、そこから育てなきゃいけないしお金だってかかるからね。






「望海。1人で子どもを育てるってことがどういうことか、本当に分かっているのか?」


「誰も、代わりがいないんだぞ。当然赤ん坊の時は、いっときも目が離せない。保育園に預けられるようになったって夜遅くに帰るわけにはいかないから、出来る仕事も限られる。」


「誘われても、断ってばっかになるから、友だちもいなくなる。趣味なんて、..やる余裕もお金もない。それで、いつの間にか時間が過ぎてて..気付いたら17年経ってるんだ。」


「考えてみろ。同級生が、洋服だ合コンだって楽しんでるときに、毎日おむつ替えたり、熱だ下痢だ予防接種だって病院に行くことになるんだぞ?」


「お前まだ17だろ?17歳は17歳にしかできないことをしろ。いいんだよ。フラフラして、好きなやつと恋愛したっていいんだ。」


「... お父さんは、後悔してるの..?」


「... いや、後悔したことは 一度もない。..お前といて、ずっと 幸せだったよ。」






なんだ、いい家族じゃん。




そう思うと、自然と頬が緩む。






「お父さん。私やっぱり産みたい。」






望海さんの一言で、結局出産が決まった。






「馬鹿な父親だと、思ってるんでしょうね。」


「え?」


「出産は、綺麗事じゃない。17歳の娘に、勢いで子どもを産ませるなんて、無謀だって。」


「..何歳だったら、いいんでしょうね?」







宮本さんの言葉に、私の頭には冴島とAの顔が浮かんだ。




私は、冴島の話をした。彼女は仕事も出来て強くて優しい人だ。でも、そんな人でも出産を迷う。Aも同じだ。出産をして子どもを育てるということは、医者から手を引かなければならない。




でも、Aは医者の職を手放してでも、子どもを産みたいって言ってたなあ。あの子は子どもが好きな部分もあるから(笑)




望海さんも同じで、最初から産むことを決めてた。きっと、お父さんが子育てする姿を見てきたから。そう伝えると、お父さんは涙を流して最悪俺が育てますなんて言ってて笑った(笑)

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のん(プロフ) - 凄く面白かったです! (2018年9月17日 17時) (レス) id: aafacab0de (このIDを非表示/違反報告)
葉月 - すごく面白かったです!!これからも頑張ってください! (2018年9月10日 15時) (レス) id: bdd41f57a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:な。 | 作成日時:2018年8月11日 8時

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