藍沢先生。2 (ページ23)

今日:24 hit、昨日:14 hit、合計:206,718 hit

２３ページ23

.

お昼を食べて、少し時間があったため俺は産科病棟へ向かった。

「A」

「あ、耕作～！美桜～パパ来たよ～」

「あ！パパだ！パパ！」

病室の扉を開けると、陽斗が俺に駆け寄ってきて足にしがみついてきた。

お産で疲れているにも関わらず、Aはちょうど授乳中だ。

「パパおようふくちがう！」

「今お仕事中なんだよ～、大丈夫なの？こっち来て」

「少し時間があったから来た。時間のあるときばかりですまない」

「全然大丈夫。こうやって来てくれるだけでも嬉しいよ」

「そうか、」

陽斗を膝に座らせ横の椅子に座る。

美桜は一生懸命に母乳を飲んでいる。

「あ、私ねこのまま何もなければ来週には退院できるんだって」

「そうなのか、よかった」

「家開けっ放しだし何もかもほりだしてきてごめんね？」

「大丈夫だ、時間のあるときに片付けておく」

「ふふ、ありがとパパ」

久し振りにパパなんて言われたせいで、耳に熱がたまるのを感じた。

Aはそれを見て、「あれ、照れてんの？」なんて余裕の笑みを浮かべながら俺を見つめて言った。

陽斗の産後のときとは大違いだ。

陽斗を出産した後から、Aは産後うつにかかっていた。