藍沢先生。2 (ページ22)

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ー藤川 side ー

やっぱり緋山に言われたことが気になったから、ヘリの機材の補充をしているはるかの元へ向かった。

「あのー、ごめん。ちょっと、ちょっとだけいいかな？」

「なーに？」

「見ちゃって、検査票」

俺がそう言うとはるかの手が止まった。

「なんで言ってくれないんだよー、俺の問題でもあるだろ？」

「..まだ産むかどうか決めてないから」

「え？」

え？まじで？え、まじか。

緋山の言う通り俺の子じゃない？それとも俺との子は要らないってこと？

「そっか、..そうなんだ」

「あ..違う、そうじゃないの」

「え？」

「..今は、仕事が面白いの」

「..あ、あぁ」

「やっとひと通りのことが出来るようになった。部下も出来た。信頼してくれる上司もいる。今が1番やりがいを感じてるの」

「そうだよな、」

「考えたい。色々、」

「..うん、」

「ごめん..」

そっか、そういうことか。

そう思い安心してると、病院の方へ２、３歩足を進めたはるかが戻ってきて

「だから今は..誰にも言わないで」

と言った。

「うん。..あ、」

「言ったの！？」

咄嗟に首を振って否定するけど、はるかには通じないみたいで盛大な溜め息&見事な舌打ちをされた。

そのダブルパンチのおかげで俺の心はズタボロだ。

はるかは俺の叫びを気にすることなくずんずんと歩いて言った。完全に怒らせてしまった。

ヘリの横で崩れ落ちる俺は、この後に白石と緋山とエレベーターではるかが一緒になるなんて思いもしなかった。