藍沢先生。2 (ページ21)

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ー緋山 side ー

藤川の言っちゃった騒動の後は、宮本望海さんの診察を控えていた。

「3か月も？家に帰ってないの？」

「高校辞めて..いって！今バイトしてるところで働きたいって言ったら急に怒り出して」

「そう、いいわよ起きて」

エコーが終わるとすぐ無理矢理起き上がろうとするから、点滴棒が倒れそうになってるし、針抜けるじゃん。

さっきからお父さんの話聞いてるけど、まあひとり娘だから心配で怒ったりしてるんだと思うよ、と内心思いながら彼女の終わらない愚痴を聞く。

「とにかく！私のことは全部自分の言うとおりにしなきゃ気がすまないのあいつは！」

「そうなの？」

「他のことは何も思い通りにならないからね」

「どういうこと？」

「つまんない人生送ってんの！出世するわけでもない何か趣味があるわけでもない女がいるわけでもない、女どころか友だちも居ない！どーせ会社でも誰からも相手にされてないんだー、毎日7時にピターッと帰ってきて。ほんと何が楽しくて生きてんだか、クソ親父！」

「でも今回は。お父さんとちゃんっと話し合わないとね？」

「.....はーい！」

ほんとに分かってんだか。

多分だけど、雪村も同じこと思ってるだろな。