藍沢先生。2 (ページ13)

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Aの目が覚めて3日経った今日、気管チューブを外して鼻カニューレの酸素投与になり、少しずつ会話も出来るようになってきていた。

病室もICUからHCUに移動し、隣にいられる時間が少しだけ伸びた。

「赤ちゃん、元気だよ～」

今日は主治医である鴻鳥先生と、エコーをみた。

手術をしたため、40週で帝王切開をしようかという鴻鳥先生の提案で2週間後に帝王切開で出産をすることになった。

38週を迎えたAは、大きなお腹を撫でて「楽しみだね」と俺に笑いかけてきた。

「そうだな、」

昨日撮ったCT画像を見ても、特に異常は見られなかったため今日で点滴と酸素投与は終わりだ。

それをAに言うと、「やっと抜けるの？もう早くしてよ～気持ち悪い！」といつもの口調でそう急かされたので、先程抜いたところだ。

言語障害や手足の麻痺もなくて、本当に良かった。

「ね、耕作」

「なんだ」

「..なんでもなーい」

「なんだ」

「フェローには優しくしてあげてね」

「知ってたのか」

「横峯さん？って子が、昨日か一昨日に来たの。「藍沢先生って普段もあんな仏頂面で言い方キツイんですか！？」って(笑)」

「..はぁ、」

「どうせ白石にも言われてんでしょ？言い方気をつけろーとか」

「俺はあいつらに頼まれて救命に来ただけだ」

「なにそれ、出たよ自己中な医者が言う言葉だわ」

「甘ったれたことを言っているといつまでも一人前の医者になどなれない」

「まあ、その通りですけど」

「それより、今日はお義母さんと陽斗が来るらしいぞ」

「え、そうなの？じゃあ陽斗におやつ買ってきてあげなきゃ」

「1人で行くのか」

「え、そのつもりだけど」

「俺も行く」

行き帰りで倒れられたりしたら困るからな。