藍色の好意 ５ ページ30
藍｢どこ行ってたんだ？｣
帰りの改札前で彼から言われた
A｢えっ!?｣
思わず声が裏返ってしまった
そういえば何も考えてなかったな
ふと目を横にやると黒宮さんが挙動不審そうに周囲をキョロキョロしている
答えに戸惑っていると音無くんが口を開く
音｢探したんだぜ？お前ら食い物の匂いにつられてフラフラ〜ってどっか行くんだから｣
藍｢そうなのか？………うーん でもそうかも
ごめん迷惑かけた｣
音｢いいんだよ ちゃんと会えたし｣
金｢おーい そろそろホームに行こうよー｣
音｢おう んじゃ行こうぜ｣
改札を通りホームへ
黒｢……さっきはありがと｣
音｢いいっていいって 分かってたことだし｣
A｢分かってた？｣
音｢え!?いや…その分かってたっていうかなんていうか…………｣
黄｢すごいねー咄嗟にそんなこと言えないよー｣
音｢うーん そうだなー 自分でも凄いと思ってるよ｣
藍｢何がー？｣
不意に後ろから藍瀬くんが話しかけてきた
A｢うわっ!?｣
音｢いやー？オレって凄いなって話｣
藍｢何それ自慢？｣
音｢かもな｣
藍｢えーナルシストは今時モテないよ｣
音｢飯ばっか食ってる奴に言われたくないな｣
藍｢何でさー｣
音｢だってさ………いや やっぱいいや｣
藍｢何だよ 気になるだろー｣
音｢まあそういうのが好きな子とかいるんだろーなーと思ったんだ｣
そう言いながら音無くんは黒宮さんの方をチラッと見ました
黒宮さんは俯いていてその表情は分かりませんでした
藍｢そういうのが好きな子って誰？｣
音｢え？まあそれが誰かはー分からないがな｣
藍｢そう まあいいや｣
★★★★★★★
帰りの電車内
｢……ねえ 知ってるんでしょ？私が彼を好きな理由｣
｢前、小学校の卒アル見せてもらった時に気になったから青木に聞いたんだ｣
｢……そう｣
｢それ聞いて あの時のお前の言葉を思い出したんだ｣
｢……『あの人にいつまでも心配させないで』だっけ｣
｢そうそう 1番大変だったのはお前らだったんだよな｣
｢……そうかもね｣
｢全くそういうところは尊敬に値するな｣
｢……私だって…私たちだって音無がいなかったら きっともっと苦しかった｣
｢だからってオレを好きになんかなるなよ？
今の黒宮には藍瀬がいるんだろ？｣
｢……うん｣
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作者名：フラスコさん | 作成日時：2014年9月6日 9時
