赤色の願望 3 ページ15
右側を見ると赤羽君だった。
水滴の滴る500mlのペットボトルを左手に持っていた。
「な、何?」「じゃあな」
彼はそれだけ言って校舎へ戻っていった。
「何だったんだろう…」
さっき彼はイタズラっぽい笑みを浮かべていた。
彼は本当に何がしたかったんだろう。
青木さんという婚約者がいながら!
とりあえず昼食をとろう。
教室へ戻ると青木さんが駆け寄ってきた。
「ごめんね」
「え?」
「京助のこと」
なぜ青木さんが謝るんだろう…。
「お茶を買ってきた京助のテンションがほんの少しだけ上がっていたから、『何かあったの?』って聞いたら微妙に楽しそうに『水田にイタズラしてきた』って言ってたの」
「そ、そうなんだ…」
ほんの少しとか微妙とか僅かな差異も見逃さないのか?この人。
「ホントにごめん!」
「青木さんが謝る必要なんて無いよ」
「ううん。代理って言うのもアレなんだけど、京助ちょっと口下手だから」
「それって…関係あるかなぁ…」
「京助ってボクと小冬以外にはペラペラ話したりもしないから…何て言うんだろう…人間不信?」
人間不信ってどういうことだ!
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作者名:フラスコさん | 作成日時:2014年9月6日 9時