カラフルパレッター夢の語り方始め方【オリジナル】 (ページ2)

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青色の幸福　１ページ2

終業のチャイムが鳴り終わり、生徒たちは各々帰り始める。

ここは日本の何処かにある多色高校(たしきこうこう)。
その中の２年３組の教室。そこにはチャイムが鳴ったのにも関わらず、数人が教室に残っていた。
「皆、夢とかってあるの？」
水田Aは残っているメンバーに尋ねた。
「夢？そんなのあったっけ？」
そう答えたのは女子なのにだらしなく椅子に座っている橙月。
「知らないわよ。まあ…私も…無いけど」
虹上は綺麗な顔を赤らめた。
「僕もあまり考えたこと無かったですね」
そう言ったのは、可愛らしい顔の灰山(男子)だった。
「ボクは夢って言うか、やることがあるかな」
青木がそう言うとすかさず黒宮が
「……祝言」
「えっ！？祝言！？結婚するの？」
Aは思わず叫んでいた。視線を感じ、口を閉じる。
「もちろん、卒業してからだよ」
そんなことを青木は言ってはいたが、
(いや、早すぎるだろ)
とAは考えた。しかし、彼女はそれを口に出さず、教室の時計を見た。
「あっ、もうこんな時間か…。私、帰るね」
Aは自分の鞄を持って教室を後にした。