第370話🦇見たかった顔 ページ35
*シャオロン side*
ミラのことがやはり気になってしまい、俺はいつもより少し早めに登校した。
その思いはどうやらみんな一緒だったらしく、他の3人とも途中で鉢合って。
そのまま4人揃って教室に向かうと……まだ誰も居ない教室内に1人、ス魔ホを眺めながらぼんやりしている彼女が居た。
一瞬……ほんの一瞬だけ、どう声をかけようか迷ってしまって。
けれど……すぐに思い直し、俺はいつも通り駆け寄って声をかけた。
「おーっすミラ！ 今日は早いやんけ！」
「あら、みんなお揃いで」
パッと顔を上げたミラは、すぐさま笑顔になって俺たちのほうを見やる。
俺に続き、他の3人も次々とミラに駆け寄った。
「そう言うシャオさんたちこそ、いつもより早ない？」
「あ、あ〜ほらッ！ 今日の授業、実技が多くて楽しみやってん！」
「そ、そうそうッ！ ミラも楽しみやろッ？」
俺の
「んふっ、そうやね。そんなとこ」
以前と変わらず俺たちの前で笑顔を見せてくれる彼女に、俺たちは確かな安心感を覚えていて。
「……あッ、そうそう！ 約束通り、教師寮がどんな感じか教えろよ！！」
昨日の魔インでの会話を思い出してそう告げると、ミラは待ってましたと言わんばかりに口を開いた。
「ええよ〜。あの場所、めっちゃおもろくて楽しいことばっかなんよ！ アタシのオトモダチであるあんさんらだけに、特別に教えてあげますわ♪」
そう前置きし、ミラは教師寮での生活について語り出した。
その内容自体ももちろん面白かったが、それよりも俺は……心から楽しそうに話してくれるミラを見れるのが嬉しくて、誰にも気付かれないようこっそりと笑みをこぼすのだった。
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2022年9月11日 21時
