第366話🦇お手伝い希望 ページ31
*ミラ side*
寮内の様々な部屋を案内してもらって、最後にやって来た場所は―――
「ふいっ、ここが食堂で〜す」
たくさんの席が用意された食堂の隣には、キッチンも併設されていて。
この雰囲気、学園の食堂に似ててええなぁ……と思っていると、ふとキッチンのほうから良い匂いがすることに気が付いた。
ちょうどお腹も空いてきたこともあり、興味本位でキッチンを覗いてみる。
「あれッ、ロビン先生!」
「やぁミラさん! もうお腹空いちゃった? あとちょっとでできるから、良い子で待っててね!」
そこには、エプロンをしっかり着てノリノリで料理するロビン先生の姿が。
「あんさん、料理できるんですか……意外ですわ」
「あははッ、よく言われる!」
「でも、ロビン先生のお料理は野菜中心で栄養バランスが良いし、とっても美味しいし……ミラさんも、ここでの食事楽しみにしててくださいね〜」
「ミラさんの歓迎会も兼ねてるから、今日の料理はいつも以上に張りきっちゃうよ!!」
そう言ってロビン先生は、意気揚々と手を動かし始めた。
……ホンマに…ええ先生ばっかりやな、この学園は。
その事実を噛み締めて小さく笑みをこぼし、アタシはキッチンのほうへと足を踏み入れた。
「ねッ、ロビン先生。アタシにも手伝えることなーい?」
「えッ? でも、今日はミラさん歓迎のための料理で……」
「だからこそ、お世話になる先生方へ何かやりたいんです! 世話されっぱなしなんて、アタシの性に合わへんし。それに……料理なんてやったこと無いから、この機会に挑戦してみたいんですわ! 新しいことやるのって、ワクワクするでしょ?」
「ミラさん……」
アタシを見つめたロビン先生は、その顔に笑みを浮かべて頷いた。
「君の気持ち、よくわかったよ!! そういうことなら、手伝ってもらおうかな!」
「わーい、けってーい♪ んで、何をすればええんです?」
「じゃあ、この鍋のやつを掻き混ぜてもらって―――」
ロビン先生の指示を受けて手伝いに取りかかるアタシを、スージー先生は優しく見守ってくれていた。
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年9月11日 21時