第360話🦇ご令嬢ご登場 ページ25
*シャオロン side*
ゴホン、とアメリ会長の咳払いが聞こえ、俺たちはそちらに意識を向ける。
「気持ちは充分理解できるので、怒るなとは言わんが……罰を下すのは、お前たちではない。わかるな？」
アメリ会長の真っ直ぐな視線を受け、俺たちは徐々に頭が冷えてきた。
「……はい、そうですね。ミラの奴も……きっと、俺らが手を汚すことは望んでないと思います」
「うむ、わかっているならいい。……それで、犯人の素性を教えたわけだが…どうだ。ミラに会わせても大丈夫だと思うか？」
会長からのその問いかけに、俺たちは顔を見合わせて表情を曇らせた。
……正直、今のミラに余計な心労はかけたくない。ましてや、お家関係のことで……。
みんなも俺と同じ気持ちだったのか、それぞれ顔を見やって頷き合う。
総意を受け取った俺は、意を決してアメリ会長に答えた。
「……少なくとも、今のミラには会わせるべきやないと思います。また、落ち着いてからでも＿＿＿」
「―――なーに？ アタシに隠し事しようなんざやるやん、シャオロン」
聞き慣れたその声に、この場の全員がギョッとして顔を向ける。
そこには……言わずもがな、ミラが立っていた。
「ミ、ミラちゃん!?」
「もう大丈夫なんか!?!?」
真っ先に駆け寄って飛びついたゾムを受け止め、ミラは笑って答える。
「ちゃーんと診てもらったけど、特に異常無しやってさ。そないに心配せんでも大丈夫やで」
「よ、良かったぁ……！！！」
安堵して声を漏らすゾムを撫でてやりながら、ミラは例の女のほうへ視線を動かす。
「あ……あのな、ミラ。実は、コイツが犯人で……」
「あー、話聞いてたからわかっとるよ」
「え……どこから聞いてたん？」
俺の説明を遮ってそう言ったミラに、驚いて尋ねる。
「さーて、どこからでしょうか♪」
やけに嬉しそうなその反応に、もしかして最初っから聞いてたんじゃ……と疑いが出てくる。
てことは、俺らが
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2022年9月11日 21時
