第286話🦇修羅場襲来 ページ47
*ミラ side*
「あ〜……買ってしもた。マジで買ってしもたやんコレ」
あれからいろいろ試着させられた結果、最初に着たかわいらしいワンピースをウツに買ってもらってしまった。
「いや〜、良い買い物したわ〜! 僕とのお出かけの時だけでもええから、今度その服着てきてな♡」
「えぇ…いや、うん…考えとく……」
ワンピースの入った紙袋を握り締めながら重々しく応えるアタシに、ウツは困ったように微笑みかけてくる。
「……ミラちゃんって普段は自信満々やのに、このことに関してだけは自信無いよなぁ。そんなに心配せんでも、ミラちゃんはちゃーんとかわええで?」
「そういう酔狂なこと言うてくれるんは、あんさんと先輩らくらいやわ……」
乾いた笑いを漏らしながらウツに言葉を返した、その時だった。
「ウツくん!!」
突然目の前に立ちはだかった女子がウツの名を叫び、アタシもウツも驚いて足を止める。
まぁウツのことやから、彼女の内の1人やとは思うけど……あれ待って、これめっちゃ修羅場やない??
「や、やぁ…奇遇だね……」
「『奇遇だね』じゃないわよ!! 珍しく約束ドタキャンしたかと思ったら……誰よその女!!!」
……え?
「なぁウツ、今日はフリーやって言うてへんかったっけ……?」
「あー……ごめん。実は、先約入ってたんやけど…どうしても今日君と出かけたくて……」
え……じゃあコイツ…元々約束してた彼女より、アタシを優先してくれたってこと……?
ドタキャンされた女の子には申し訳ないけど…正直、悪い気はしないというか……。
そんなことを
第287話🦇真に責められるべきは誰か→←第285話🦇軽薄な彼の軽薄じゃない言葉
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年8月22日 9時