【魔主役】鏡使いの悪魔学校生活:VOL.6【魔入間】 (ページ36)

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第275話🦇前座の申し出ページ36

*ミラ side*

2人と共にステージ裏に向かうと、待ち構えていたイルマに状況を説明された。

どうやら、イルマと話している最中にくろむちゃんが体調を崩してしまったらしく。

次のライブまでに回復するのは難しそうなので、その間ステージを繋ぎたいとのことだった。

もちろんアリスとクララは協力すると即答し、アタシも面白そうだったので喜んで協力することに。

そこで、ステージで前座をさせてほしいとくろむちゃんのマネージャーさんに頼みに行ったのだが……。

「無理だって言ってるでしょ！」

やはりそう甘い話ではないようで、マネージャーさんは強い口調で否定してきた。

「気持ちは嬉しいけど大人しくしてて！お願いだから！」

マネージャーさんにそう言われてしまったイルマは、身を引きそうになる。

しかし、そんなイルマの代わりにアリスとクララが声を上げた。

「「嫌です」」

そのあまりに息ピッタリな様子に、アタシは思わず吹き出してしまった。

お人好(よ)しのイルマじゃ言えないだろうからと、代わりに2人が率先して言ったのだろう。

ホンマ……ええオトモダチ持ったな、イルマ。

「イルマ様から事情は伺(うかが)っております。要は、ストレスを発散させればいいのでしょう？」

「ハイ！私は鬼ごっこがいいと」

「何か方法があるのでは？」

うわ、クララ完全に無視された。アリスのスルースキル上がってやがる……。←

なんて呑気(のんき)なことを考えるアタシをよそに、マネージャーさんは顔をしかめて口を開いた。

「……ッ、ダメよ！！お客は“くろむ”を見に来ているの！！かわいくて華やかで！学生という特殊な立ち位置(ステータス)のアクドルを！！」

ふむふむ、聞いた感じそう簡単に代替できる存在やないってことか……。

「くろむまでとはいかずとも！若くて多少の素人感があっても許されるかわいい学生パフォーマーなんて、この場には＿＿＿」

「じゃあ作る？」

家系能力でヒラヒラフリフリの服を出したクララに、アタシとイルマとアリスは嫌な予感を察して固まる。

その予感を確定させるかのように、クララは黒い笑みをアタシたちに向けるのだった―――。