第189話🦇この光景を、“彼ら”と共に ページ46
*ミラ side*
翌日―――やはり作るには見本が要るとのことで、イルマが“はつこいめもりぃ”の花火が出ている巻を持ってきてくれた。
アタシは見るのは二度目だったが、コレを今から自分たちで作るとなるとワクワクが止まらない。
一方他の3人も、生まれて初めて目にする花火に興奮していた。
そんな3人に気付かれないよう、アタシはイルマに
「まさかコレ……アメリから借りてきたん?」
「う、うん。僕が花火を作るって話をしたら、それとなく貸してくれて……きっとアメリさんも、花火が楽しみなんじゃないかな」
あの子、コレが超絶重要な禁書ってわかってんのかなぁ……;;
「よし! コレを参考に実験進めてみよか!」
“はつこいめもりぃ”を手にしたキリヲ先輩に応え、アタシたちは早速花火の実験に取りかかった。
ー*ー*ー*ー
それから作業は進み、夜になり……アタシたちは、完成した花火第1号の試し打ちをするため外に出た。
アタシたちが見守る中、アリスがお得意の炎で花火に点火する。
導火線が完全に燃えきったその瞬間、筒から火の玉が上がり……そして、夜空に小さな花を咲かせた。
「……でき、た」
「できたーー!!」
アタシの呟きに被せるよう、イルマが嬉しそうに声を上げた。
「えらい小さいけどなぁ」
「でも! すごく近いですよ! あとはこれを大きくすれば……」
とその時、クララの体がふらりと倒れそうになったので慌てて支えてやる。
「あれまぁ……クララったら、完全にダウンやな」
アタシの腕の中で寝息をたてるクララに気付き、キリヲ先輩はクスッと笑う。
「続きは明日にしよか」
「そ、そうですね……」
苦笑して頷いたイルマと共に、アリスとキリヲ先輩も校内へと戻ろうとする。
しかしアタシは、クララを抱き抱えたままぼんやりと立ち尽くして夜空を見上げていた。
「ミラさん?」
……さっきの花火の光景が、目に焼き付いて離れへん。
それと同時に……思ったんや。
この光景を……我々
あぁ……そっか。アタシっていつの間にか……こんなにも、あの
「……花火、絶対成功させような」
イルマたちのほうを向いてニッと笑ってやると、3人はそれぞれの反応で応えてくれた。
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空文 晴霧(プロフ) - くろほたるさん» こちらこそ素敵な感想ありがとうございます!! そうなんです、一方的じゃなくて互いに大きな存在となってるんですよ…!!! そう言っていただけると、頑張ってオリジナルストーリーを書き上げた甲斐があります(*´ ˘ `*) (5月21日 7時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
くろほたる(プロフ) - お互いがお互いを無意識に救いあっている💣🪞がなにより愛おしいです!!!!この絡みでオリジナルストーリーを作って頂き本当にありがとうございます…!!!! (5月21日 6時) (レス) id: 917d162833 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - 暁さん» 私もそう思いながら書きました…!!! 喜んでいただけて何よりです!! (2023年3月30日 21時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
暁 - オうふっ...ゾムさんとの絡みてえてえ...っ! (2023年3月30日 13時) (レス) @page20 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - すずねこさん» かわいいですよね…!!!(激しく同意) (2022年11月26日 16時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年7月18日 13時