第116話🦇俺にできること ページ21
*ミラ side*
いったい何をするのかと見守っていると、シャオロンは残りの料理を鍋にぶち込んだり切り刻んだりし始めた。
「何してはるんですかシャオロンさん……?」
なぜか青い顔で尋ねるウツに、シャオロンは淡々と答える。
「見りゃわかるやろ。料理や」
……なぜ??
「コイツ…人気が欲しすぎてついに頭おかしなったか……?」
「シャオ氏……話くらいならいつでも聞いたるで?」
「ちゃうねん聞けや!」
トントンとアタシの言葉に、シャオロンはこんなことを言ってくる。
「ここで俺が手を加えて、より食べやすく、インパクトがあって、飽きの来ない料理にアレンジしたるねん」
へー、シャオロンって料理できるんや。しかも、アレンジとかレベル高ない?
「いやアカン!! コイツに包丁持たしたら……!!」
ウツがなぜさっきから焦っているのかよくわからず、アタシもゾムも首を傾げる。
「それはめちゃくちゃありがたいけど、やっぱりどうしたお前……。いつもだったら、俺が俺がーっていくところを……」
「確かに……シャオさんらしくないなぁ」
トントンの言葉に続く形でそう告げると、シャオロンはどこか遠くを見つめて口を開いた。
「……ずっと考えとってん。『入学してから今まで、俺全然大したことできてへんな』って」
「「「「……え?」」」」
まさかシャオロンの口からそんな言葉が出てくるとは思わず、アタシたちは揃って疑問符を漏らす。
「ミラやトントンみたいに優秀な使い魔は
「いやホンマそれな」
「かといって、大先生ほど道化に走りたくはない」
「オイ」
マジでどうしてしもたんや、シャオロンの奴……。
「それに、
こっそり逃げようとするウツに気付いてその首根っこを掴みつつ、アタシはシャオロンを見つめる。
「お前らに対抗するために、俺にできることは―――」
いくつもの料理をぶち込んでいた鍋の
「―――暴れ散らして、引っ掻き回すことや」
ゲス顔で言い放ったシャオロンを前に、アタシはゾクゾクとした感覚が体の中を駆け巡るのを感じるのだった。
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空文 晴霧(プロフ) - かりんとうさん» ありがとうございます!! 悪周期、いずれ書きたいとは思ってるんですよね…!! 展開的にかなーーーり先の話になるかもしれませんが、いつか実現させたいと思います( *´꒳`* ) (2022年6月27日 20時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
かりんとう - とてもおもしろかったです!少し図々しいですが私はミラちゃんの悪周期が見てみたいです!ホントに図々しいですがよろしくお願いします!!更新頑張って下さい!楽しみに待っています!! (2022年6月27日 20時) (レス) id: 58b8eec53b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年5月31日 13時