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第815話🦇見せられない“顔” ページ5

*シチロウ side*

侵入者をどうしたのか、という彼女の質問に……また、カルエゴくんは躊躇(ためら)い無く答える。

「新任に追撃させた。深追いは得策ではないと判断し、逃がしたが……相当な深手を負っただろう」

「新任……あぁ、ロビン先生ですか」

「なるほど」と納得したように頷き、ミラさんは僕たちから視線をそらすことなく口を開く。

「1人の生徒として、率直な思いを述べるとすれば……今回の件は、かなりな不安要素ですね」

嘘の無いストレートなその一言を、僕もカルエゴくんも重く受け止める。

当然だ……教師(僕たち)が居ながら、侵入者という不安分子を学園に招き入れてしまったことは事実。

きっと今回のことで、僕らへの信頼も弱まって___。


「でも……―――アタシは、先生らを信じてますから」


「……えッ…?」

想像していたものとは真逆の意味合いを持つ言葉を告げられ、僕もカルエゴくんもキョトンとしてしまう。

「確かに、侵入者を入れてしまったことは先生たちの責任もあります。けど、だからってアナタ方が弱くなったわけではない。……生徒(アタシたち)を守ってくれるんでしょ、先生?」

『信じてる』―――そう告げた彼女は、一片(いっぺん)の曇りも無く心から真実を述べていて。

「……うん、もちろん」

彼女を見据え返し、ニッコリと笑みを向けて答える。

「何があろうと、僕らは君たちを守るよ」

「あははっ! シチロウ先生、ラッダァ先生とおんなじようなこと言いますやん」

クスクスと上機嫌そうに笑い、彼女は立ち上がる。

「アタシからのお話は以上なので、打ち上げ行ってきてもいいですか?」

「ふふっ、行っておいで。僕らも(あと)で向かうよ」

「失礼しまーす!」と元気良く退出したミラさんを見送り、僕はスッと笑みを消す。

「……絶対守ろうね、カルエゴくん」

「無論だ。……それよりシチロウ」

僕を横目で見やる彼は、なぜか怪訝(けげん)そうな顔をしていて。



「……その()、絶ッ対に生徒の前でするなよ」



「……………わかってる」

きっと、今の僕は……カルエゴくんよりずっと怖い顔をしてるんだろな。

自覚は無いけれど、彼の反応からしてそう察した僕であった。

第816話🦇“感謝”の真意→←第814話🦇“責務”



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空文 晴霧(プロフ) - 葵斗(別アカ)さん» ありがとうございます(*´˘`*) (3月25日 11時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
葵斗(別アカ) - 頑張れp(^-^)q (3月25日 11時) (レス) @page25 id: 8875507bce (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - 葵斗さん» コメントありがとうございます! 頑張って書き続けていきますので、応援お願いします(*´▽`*) (3月15日 18時) (レス) id: d259bd7f79 (このIDを非表示/違反報告)
葵斗 - 遂に18まできたのか…応援しています、執筆頑張って下さい!!! (3月15日 18時) (レス) id: 6f83c28ab3 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - ユノンさん» ありがとうございます! マイペースな更新にはなってしまうかと思いますが、気長に見守ってやってください☺️ (1月5日 13時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2023年10月22日 18時

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