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第814話🦇“責務” ページ4

*シチロウ side*

ミラさんの口から語られた“オチョ”という悪魔は、僕らが情報を掴んだ“侵入者”の特徴とピッタリ一致した。

さらに彼女は、オチョに認識阻害系の隠密魔術がかかっていたという推測まで立てていて。

「ココくんへの記憶操作に、あそこまで厳重な隠密魔術……こんなにも徹底して存在を隠蔽(いんぺい)したがるなんて、どう考えても普通の生徒やない。となると……オチョってのは、外部からの侵入者なのでは?」

僕たちを鋭く見据えながら核心を突くミラさんに、どう答えたものかと悩んでしまう。

学校行事中に外部から侵入者があったなんて事実、本来は生徒に伝えるべきではない…けど、賢いこの子に嘘を(つらぬ)き通せる自信も無いし……。

そんな僕の逡巡(しゅんじゅん)は、一瞬で無駄となった。


「その通り。ヤツは我が校の生徒ではなく、侵入者だ」


何の躊躇(ためら)いも無く真実を述べた隣の彼に、僕はさすがに驚いてしまった。

「ちょッ、カルエゴくん!? こういうのって、あんまり生徒に言っちゃいけないんじゃ……」

「この隠れ問題児相手に隠し立てしても無駄だろう。それに……コイツはシュピーゲル家次期当主であり、位階(ランク)も1年の時点で“5(ヘー)”を取るという稀有(けう)な生徒。このくらいの事実を知る責務くらい、コイツにはあると判断したまでだ」

カルエゴくんのその言葉を聞き、ミラさんは気だるそうに溜め息を吐き出す。

「家の名前出さんといてくださいよ……。まぁ、今はそれどころやないんでスルーしてあげますけど」

家系絡みの話が相変わらず苦手らしく、ミラさんは嫌そうな顔をしつつも淡々(たんたん)と続ける。

「責務とか何とか、この“才”を持って生まれた時から散々背負わされてきたんでもう慣れっこですよ。……で、話戻しますけど」

真剣な目で僕とカルエゴくんを()抜きながら、彼女は鋭く問いかけてきた。



「―――侵入者は、どう“処理”したんですか?」

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空文 晴霧(プロフ) - 葵斗(別アカ)さん» ありがとうございます(*´˘`*) (3月25日 11時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
葵斗(別アカ) - 頑張れp(^-^)q (3月25日 11時) (レス) @page25 id: 8875507bce (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - 葵斗さん» コメントありがとうございます! 頑張って書き続けていきますので、応援お願いします(*´▽`*) (3月15日 18時) (レス) id: d259bd7f79 (このIDを非表示/違反報告)
葵斗 - 遂に18まできたのか…応援しています、執筆頑張って下さい!!! (3月15日 18時) (レス) id: 6f83c28ab3 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - ユノンさん» ありがとうございます! マイペースな更新にはなってしまうかと思いますが、気長に見守ってやってください☺️ (1月5日 13時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2023年10月22日 18時

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