第835話🦇迫られる、奪われる ページ26
*ミラ side*
一瞬……いや、数分。アタシは、目の前の男に何を言われたのか理解できなかった。
「は…え……？ 当主の座を継ぐ、って…ま、まだ先の話じゃ……？」
「……可能であれば、今すぐにでも＿＿＿」
「ふッッ……………ふざけんなやッ！！！！」
感情的に怒鳴り散らすも、いつものようにたしなめようともしないコラソン。それどころか、ただただ申し訳なさそうに目を伏せるだけ。
その様子にもイラついてしまい、自然と感情の荒ぶりも大きくなってしまう。
「アタシが当主になるんはッ、
「申し訳ありませんが……そこまでの猶予は、もはや無いのです。お嬢様、どうかお覚悟を……」
「ッざっけんな！！！！！ アタシはまだッ、
まだ、みんなとの“思い出”を増やしたいのにッ……！！
「―――ごめんなさい、ミラ」
奥から聞こえてきたその声にハッと顔を向けると、母の姿があった。
「ミリア様！ お体は大丈夫なのですか……!?」
すぐに駆け寄ったコラソンに「ありがとう」と声をかけてから、母さんはアタシと向き合った。
「ミラ……コラソンにいろいろ言われたかもしれないけれど、気にしなくていいんですよ。
「ミリア様ッ！」
咳き込んで崩れ落ちそうになる母さんを、コラソンが慌てて支える。
「いけません、ミリア様。お嬢様のことを案じられてばかりで、ご自分のことを
「いいのよ、コラソン……。私のせいで、これ以上…この子の幸せを奪いたくないの……」
『幸せを奪いたくない』……？ 何やねん、それ……。
この家に生まれて、次期当主と決められた時から……アタシの“幸せ”なんて、とっくに奪われてるのに。
それでも…せめてもう少しだけ、今のままでいられると思ってたのに……。
「……考え、させて」
弱りきった母を目の当たりにして口から出てきたのは、そんな一言で。
2人に何か言われる前に、アタシは自室へと向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 251人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空文 晴霧(プロフ) - 葵斗(別アカ)さん» ありがとうございます(*´˘`*) (3月25日 11時) (
レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
葵斗(別アカ) - 頑張れp(^-^)q (3月25日 11時) (レス) @page25 id: 8875507bce (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - 葵斗さん» コメントありがとうございます！ 頑張って書き続けていきますので、応援お願いします(*´▽｀*) (3月15日 18時) (レス) id: d259bd7f79 (このIDを非表示/違反報告)
葵斗 - 遂に18まできたのか…応援しています、執筆頑張って下さい!!! (3月15日 18時) (レス) id: 6f83c28ab3 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - ユノンさん» ありがとうございます！ マイペースな更新にはなってしまうかと思いますが、気長に見守ってやってください☺️ (1月5日 13時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2023年10月22日 18時
