第813話🦇知らぬが何とやら ページ3
*ミラ side*
シチロウ先生はオチョの名をあえて出さず、収穫祭時の行動について尋ねたのだが……やはりココくんはオチョのことを完全に忘れてしまっているらしく、彼の口からその名が出てくることは無かった。
シチロウ先生の反応からしても、今の彼がオチョのことを認識していないことは真実なのだろう。
「……うん、わかったよ。ありがとう、話を聞かせてくれて」
にこやかに語りかけるシチロウ先生とは対照的に、カルエゴ先生が相変わらず険しい顔でこう続ける。
「オロバス、話は以上だ。速やかに講堂へ向かうように」
「えッ……? あ、はい……」
唐突に話を切られたココくんは、何か言いたそうにアタシのほうを見つめてくる。
その視線に気付き、アタシはニパッと笑って見せた。
「なんかようわからんけど、多分アタシの話とココくんは関係あらへんからさ! 時間取らせるのも申し訳ないし、先行っとってくれる?」
「そ、そういうことなら……」
先生たちに律儀にお辞儀し、「また講堂で」とアタシに言い残してココくんは魔歴準備室を出ていった。
彼の足音が耳を
「オイ……何だ今の、口から出任せは」
「だって、ああでも言わんと不自然やないですか。……ホンマはめちゃくちゃ関係しとる話やとしても、彼には聞かせんほうがいいって判断したんでしょ? だからこそアナタ方は、ココくんを外させた」
「ちゃいますか?」と教師2人へニッコリと笑みを向けると、カルエゴ先生は頭を押さえて疲れたような溜め息を吐き、シチロウ先生は感心したように微笑んだ。
「さすがミラさん、お見通しだね」
「そらわかりますよ。……アタシも、この話は彼に聞かせるべきやないと考えてましたから」
きっと……真実を知ったら、真面目な彼はひどく苦しむことになるだろうから。
だから、ここから先は彼は知らなくていい話。全ては……アタシと先生たちで、背負えばいいだけや。
「それじゃあ話しましょうか。収穫祭中、ずーーっとココくんに
2人の視線を一身に浴びながら、アタシは自分が知っている限りのことを打ち明けた―――。
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空文 晴霧(プロフ) - 葵斗(別アカ)さん» ありがとうございます(*´˘`*) (3月25日 11時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
葵斗(別アカ) - 頑張れp(^-^)q (3月25日 11時) (レス) @page25 id: 8875507bce (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - 葵斗さん» コメントありがとうございます! 頑張って書き続けていきますので、応援お願いします(*´▽`*) (3月15日 18時) (レス) id: d259bd7f79 (このIDを非表示/違反報告)
葵斗 - 遂に18まできたのか…応援しています、執筆頑張って下さい!!! (3月15日 18時) (レス) id: 6f83c28ab3 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - ユノンさん» ありがとうございます! マイペースな更新にはなってしまうかと思いますが、気長に見守ってやってください☺️ (1月5日 13時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2023年10月22日 18時