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第823話🦇伝えたい言葉 ページ13

*ミラ side*

クラスメイトたちからお願いされて断りきれなかった入間がカルエゴ先生を召喚し、場はさらに盛り上がった。

みんなが使い魔カルエゴ先生に夢中になったおかげで入間への注目が外れたので、その隙を突いてアタシはこっそりと彼に耳打ちする。

「入間、ちょっと話したいことあるんやけど。この打ち上げ終わったら、時間ええ?」

「っ! う、うん。大丈夫だよ」

無事に約束を取りつけたアタシは、問題児(アブノーマル)たちから離れてあえて(すみ)のほうへ向かった。

それからしばらく、誰とも絡まず独りで(たたず)んでいると……不意に、真隣の空間が揺らぎその姿が(あらわ)に。

「あはっ、やっぱり出てきてくれた」

「こっちからしたら、やっと出られたって感じだけどね……君、ずーーっと誰かしらに囲まれてるんだもん」

隣に現れた彼――ソイくんのほうへ顔を向け、アタシはクスクスと笑ってやる。

「そらまぁ、準優勝した上に“5(ヘー)”に昇級したミラ様やからなぁ? 人気者で困りますわ〜w」

「全然困ってないくせに……まぁいいや」

呆れたように小さく息を吐きつつ、彼は改まってアタシに向き合う。

「人気者のミラさんは、こんな言葉聞き飽きただろうけど……準優勝と位階(ランク)昇級、おめでとう」

微かにはにかんでそう告げたソイくんに、アタシは自然と笑みをこぼした。

「んふふっ、ありがとさん。オトモダチからの称賛は何度もらっても飽きひんから、安心してや♪」

「!……あっそ」

口調は素っ気ないものの、彼はどこか照れくさそうに顔を背けて。

その様子がかわいらしくてつい笑うと、自分が笑われていることに気付いたのか慌てて消えてしまったソイくん。

「あははっ、笑ってごめんて。……ホンマに、ありがとうな。あんさんからちゃんと言葉もらえて、嬉しかったで」

「……………」

何も返答は無いけれど、姿も見えないけれど……きっと、伝わったはず。

「……さーてと、そろそろアイツらんとこ戻りますかね!」

好き勝手にはしゃいでいる師団(バトラ)仲間たちをロックオンし、アタシは意気揚々と彼らのほうへ足を踏み出すのだった。

第824話🦇謎の4文字→←第822話🦇燃え上がる“野望”



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空文 晴霧(プロフ) - 葵斗(別アカ)さん» ありがとうございます(*´˘`*) (3月25日 11時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
葵斗(別アカ) - 頑張れp(^-^)q (3月25日 11時) (レス) @page25 id: 8875507bce (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - 葵斗さん» コメントありがとうございます! 頑張って書き続けていきますので、応援お願いします(*´▽`*) (3月15日 18時) (レス) id: d259bd7f79 (このIDを非表示/違反報告)
葵斗 - 遂に18まできたのか…応援しています、執筆頑張って下さい!!! (3月15日 18時) (レス) id: 6f83c28ab3 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - ユノンさん» ありがとうございます! マイペースな更新にはなってしまうかと思いますが、気長に見守ってやってください☺️ (1月5日 13時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2023年10月22日 18時

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