【魔主役】鏡使いの悪魔学校生活:VOL.16【魔入間】

第750話🦇噂知らずのご令嬢 ページ34

*ココ side*

シュピーゲル・T・ミラ―――問題児(アブノーマル)クラスばかりが注目される中、唯一他クラスで私が存在を知っていた生徒。

１年にして“4(ダレス)”の高位階(ハイランク)保持者でありながら、問題行動を起こしては教師や生徒会から叱責(しっせき)を受ける……良くも悪くも他者を惹(ひ)きつける、圧倒的な存在感。

……ハッキリ言って、羨(うらや)んでいた。自分には無いものを持つ、問題児(アブノーマル)クラスと同様に。

そんな相手と、まさか―――


「へぇ〜……この魔植物って食べれたんや。ココくん知ってた？」

「あ、ああ。以前本で読んだことが……」

「すごッ。物知りさんやなぁ！」


まさか…共に収穫祭に向けて励むことになるとはッ……！！

な、なぜこんな状況に……。図書館で偶然出会い、押しに負けてここまで来てしまった……。

それにしても―――。

「……君は、私のことを知らないのか？」

先ほどからずっと心に引っかかることがあり、私は思わず彼女に問いかけていた。

「えーっと……あんさん、そないに有名悪魔(じん)やったん？ ごめんな〜、アタシあんまし周りの評判とか興味あらへんから……」

「いや、有名というほどでもないが……………耳にしたことくらいはないだろうか。私が、その…2番信仰の家系、という噂を……」

まさかこの話題を自ら振ることになるとは思っていなかったが、私の不安とは裏腹に彼女は怪訝(けげん)そうに顔をしかめた。

「2番信仰〜……？？ 何それ」

……どうやらこの様子を見るに、本当に私に関する噂は知らないらしい。

「じ、実のところ私にもよくわからないんだが……私が実技でも座学でも2位ばかり取っているから、周囲から勘違いされて＿＿＿」

「えッ、どっちも2位なん？ すごいやん！！」

「……………へっ？」

す、すごい……？？ 彼女のような格上の悪魔の口から、私に向けてそんな言葉が出てくるわけ……。

とても信じられず唖然とするしかない私に、彼女は不思議そうに首を傾げた。

第751話🦇少女の信じるモノ→←第749話🦇とっておきの場所

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す