第742話🦇隠した傷痕 ページ26
*ミラ side*
「昔さ、ちょっとえげつない怪我してしもて……傷が残ってるから、隠してるんよね」
「えッ、そうやったん……？」
アタシの返答に、尋ねてきた張本人であるシャオロンが驚いたように声を漏らす。
「でも、アクアケースの時は傷痕なんて……」
「ああいう時は、一時的に魔術で隠してんの。短時間なら問題あらへんからな」
ウツの質問に正直に答えると、みんなは納得したような顔をした。
「……なんか、すまんかった。そんなデリケートな問題やったとは思ってなくて……」
申し訳なさそうにそんなことを言うシャオロンに、アタシはあえて軽く笑ってやる。
「も〜、そんな深刻に考えられると逆に困るわ！ 別に日常生活に支障あらへんし、アタシ自身が気にしてへんのやから！ みんなも、変に気ぃ遣わんといてな？ それでこの話はおしまい！ なッ？」
ニッと笑みを浮かべながらそう言うと、みんなは少し安心したように表情を和らげた。
「そっ、か……まぁ、お前がそう言うなら」
「そうそう！ それよりッ、はよ魔術講座始めよで！ そのおもしろ……じゃなかった、くだらん賭けのせいで時間押してるんやし！」
「本音ダダ漏れやぞ問題児」
ロボロからの鋭いツッコミもスルーし、アタシはみんなと共に魔術講座の準備に取りかかる。
そんなアタシを、エミ兄やんはどこか悲しそうな顔で見守っていた―――。
ー＊ー＊ー＊ー
魔術講座を無事に終え、みんなには先に帰ってもらった。
残ったアタシは、エミ兄やんと共に魔歴準備室へ本を返しに行くところで。
その道中、彼は静かな声でアタシへ言葉をかけてきた。
「……大丈夫？」
「ん？ 別に？」
はぐらかそうとしたものの、エミ兄やんが真剣な目でアタシを見つめていることに気付き小さく溜め息をつく。
「……ちょーっとだけ“あの時”のこと思い出したけど、ホンマに大丈夫。アナタが居てくれたからな」
微笑んでそう告げると、エミ兄やんは少しだけ表情を和らげて「そっか……」と呟いた。
「ありがとうな、エミ兄やん」
「……ううん、当然やで。俺は、いつだって君の味方やからな」
そう言って優しく笑いかけてくれる彼に、アタシもつられて笑みを深めるのだった。
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空文 晴霧(プロフ) - ぎおののーとぱそこんさん» コメントありがとうございます！ アズくんとの絡みは私もめちゃくちゃ楽しんで書いてます(笑) ファンクラブ立ち上げましょう！！＼( `꒳´ )／ これからも応援よろしくお願いします！ (2023年4月7日 9時) (
レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
ぎおののーとぱそこん - 二回目のコメント、別機種から失礼します〜ミラちゃんと魔主役もやが、魔入間たち（とくにアズ君）の絡みが…神…。ミラちゃんと我々怪盗団…最高っす…悪魔ミラちゃん、性格が素晴らしい…ミラちゃんファンクラブ立ち上げたいっすわ…。陰ながら更新応援してます！！ (2023年4月7日 3時) (レス) @page3 id: 1e15dc8a80 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます！！ ギャップの女・ミラちゃんですからね( *¯ ꒳¯*) 収穫祭編も気合いを入れて書きましたので、皆様にお披露目できる日が私も楽しみです(*´∀｀*) (2023年3月27日 16時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 収穫祭で悪周期ミラさんが見れるのでは？と期待をしております！ミラさんの無邪気さと悪魔らしさのギャップでいつも心揺れてます〜！更新頑張って下さい！ (2023年3月27日 15時) (レス) @page10 id: 925a09eca2 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - バー子さん» ありがとうございます！！ どんどん匂わせていきますので、ご期待ください( *¯ ꒳¯*) (2023年3月26日 21時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2023年3月17日 19時
