第707話🦇惨状 ページ39
*ミラ side*
トンの案内で辿り着いた場所には、我々
そして……ウツ以外の4人は、ボロボロの状態で地面に倒れ伏していて。
「何やの、これ……」
目の前の光景に愕然としそうになるが、なんとか気を取り直して唯一意識のあった彼へ呼びかける。
「ウツ!!」
「ッ!! ミラ、ちゃん……? なんで、ここに……」
ウーモから降り、アタシは放心状態のウツに駆け寄った。
「ちょうどシチロウ先生と居たところに、トンが来て……なぁ、何があったん?」
そう尋ねると、なぜかウツは顔を青ざめさせてうつむいた。
「ウツ? どないしたん? 大丈___」
「僕の…せいなんよ……」
「……へっ?」
か細く呟かれたその言葉の意味がわからず、アタシは困惑してウツを見つめる。
「ど……ういうこと?」
恐る恐る聞き返すと、ウツはポツリポツリと語ってくれた。
収穫祭に向けての特訓として、この森で魔獣狩り対決をみんなでしていたこと。
その途中で例の魔獣と出くわし、洗脳されて他のみんなを魔獣に食わせてしまったこと。
最終的に、シャオロンに正気に戻してもらったウツが家系能力を使って食われたみんなを助け出したらしい。なぜかその能力の詳細はぼかされたけど……多分、あんま触れられたくないんやろな。
そう考えて何も言わず話を聞いていたのだが、不意にウツは声を震わせてこんなことを言い出した。
「ごめん、ホンマに…洗脳されてたとはいえ僕は、仲間を…君の大切なモノを、壊そうと…ごめんッ、ごめんなぁ……!!」
ボロボロと涙を流して謝罪する彼を、アタシはただジッと見つめる。
その時、アタシたちの後を追って飛んできたらしいシチロウ先生が到着した。
「わッ、いったい何が……!?」
「シチロウ先生、みんなのことお願いできます?」
「う、うん。もちろんいいけど……君は?」
不思議そうにこちらを見やるシチロウ先生に、アタシはウツのほうを見つめたまま静かに答える。
「アタシは……ちょっと、彼と大事な話がありますんで」
それだけ告げ、アタシは―――目の前に居る彼を、力の限り抱き締めた。
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空文 晴霧(プロフ) - バー子さん» こちらこそ、読んでいただきありがとうございます!! これからも頑張ります(*´∀`*) (2023年2月13日 21時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
バー子 - 面白いお話、いつもありがとうございます!!応援してます!! (2023年2月13日 21時) (レス) @page12 id: ca2116eb16 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - AYMさん» コメントありがとうございます!! サバト編、ぜひお楽しみください( *¯ ꒳¯*) 11巻のutくん活躍シーンも私なりに描かせてもらってるので、いずれお目見えするのが楽しみです(´∀`) (2023年2月4日 17時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
AYM - 続編(15)おめでとうございます!!ミラちゃんいいですねえ!好き(告白)サバト編だから、あのemさんが見れるのか!wktkてか、そろそろで11巻のut活躍回が来るがミラちゃんは見るのかな?見たら大興奮だろうなぁ、これからも無理せず頑張ってください!!応援してます! (2023年2月4日 14時) (レス) @page1 id: 48240d13f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2023年2月3日 21時