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第652話🦇ハードルは高いに限る ページ32

*ロビン side*

僕たちの前に居るあの百フラリンゴは、実は本物じゃない。簡単に言うと、“幻覚”だ。

もちろん実体は無いけど、その性質は本物と全く同じように再現されている。

つまり……あの首から下がっている実は、本当に100回くらい攻撃しないと普通は落ちないってこと!

こんなすごい幻覚を見せれる装置は、バラム先生が魔具研のエリゴス・シネルくんに頼んで作ってもらったらしい。すごいよね!

さて、頭級(ボスクラス)魔獣の百フラリンゴがなんでこんな所に居るのかの説明はここまでにして……早速、ミラさんの実践に移ろうかな!

「百フラリンゴの実を、1発で……?」

呆然と立ち尽くしてポツリと呟く彼女の様子を、僕は黙って観察する。

うーん……ミラさんが退屈しないようにいろいろ試行錯誤してみたんだけど、ちょっといきなりハードル高すぎたかなぁ? ここで心折れちゃったりしたら、本末転倒だよねぇ……。

やっぱり、もうちょっとだけ地道に頑張るプランでいったほうが良かったかも……!?

そんなことを悶々(もんもん)と考えていたのだが、不意に目に入った光景に一気に意識を持っていかれてしまった。

「……………あはっ」

何の前触れも無く口角をつり上げた彼女に、形容し(がた)いゾッとするような感覚が駆け巡る。

「100回叩かな落ちん実を、たったの1発で仕留めるなんて…そんな、不可能に限り無く近いこと…―――めっっっちゃ(たぎ)るやんッッ……!?!?!?♡」

頬を火照(ほて)らせ恍惚とした笑みを浮かべるミラさんを前に、ゾクゾクと“何か”が込み上げてくるのを感じる。

「何の変哲もない的にぶち当てるより、よっぽど刺激的で(たの)しいやんか……!!!」

すっかり興奮しきったミラさんは、もはや僕のことなど眼中に無いかのようにスッと構えた。

百フラリンゴのほうを指差すその手は、何の迷いも無く真っ直ぐで。

もはや彼女の目には、百フラリンゴの実――すなわち、“標的”しか映っていないだろう。

「……ははっ」

あぁ……もっと早くこうしていれば良かった。

こんなにも、何も見えなくなるくらい一点集中できる悪魔が見られる日が来るなんて…思ってなかったなぁ……!!

第653話🦇過程も楽しむ→←第651話🦇意識改革法



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空文 晴霧(プロフ) - 暁さん» およよ??( ^ω^ ) (7月17日 14時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
- およ?ジョニーパイセン??? (7月17日 14時) (レス) @page12 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - AYMさん» ありがとうございますー!! 察していただけて嬉しいです(*´▽`*) マイペースに書き進めていきますので、どうぞよろしくお願いします! (2023年1月2日 17時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
AYM - 14作目(続編)おめでとうございます!!本当、マジで大好きですッ!!前回の後書きで書いてあったオリオンさんのやつは本とかなんやらでなんとなくあれ、emさんでは?となっていました!(笑)無理せず更新頑張ってください!! (2023年1月2日 16時) (レス) id: 48240d13f1 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - 白黒ぐも。さん» こちらこそ、コメントしていただきありがとうございます! 引き続き楽しんでってください(*´∀`*) (2023年1月2日 9時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2023年1月1日 19時

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