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「あっ、やっ？」
でも、紫耀の手が俺の服の裾からスルリと滑り込んできた時、思わずその身体を押していた。
正直、先の事を何も考えていなかった俺。
ただキスが気持ち良くて、ただキスを繰り返して。
その先があるなんて思いもせんくて。
せやから紫耀の手が意思を持って俺に触れた時、怖くなって紫耀を押してしまっていたんや。
「ごめんっ。」
紫耀もそれ以上は駄目やと気付いたようで、パッと俺から手を離して謝って。
だって、この先は未知の世界。
この先、紫耀が俺に何をするかなんて見当も付かんくて。
俺はただただ考えが及ばんくて、ただただ恐怖やった。
「･･･あのさ、廉。俺、廉に･･･本気になって良いかな？」
「本気？」
暫くの何とも言えない沈黙の後、紫耀がそんな事を言う。
「その･･･廉の事･･･本気で好きになっても･･･良いかなって。」
「え･･･？」
それは･･･そう言う好きって事やんな？
だって今、キス、したんやもん。
紫耀は俺の事･･･そう言う風に好きになるって事やんな？
「ダメ？」
「えっと･･･その･･･。」
そんなん、どうしたらええんやろう。
紫耀に好きになられても、俺はどうしたら･･･。
「俺、廉の事･･･ちゃんと好きになりたい。」
「ちゃんとって？どういう事？」
「今迄何となくそうかなって感じだったんだけど、やっと確信した。俺、廉の事が好きだって。だから、これからもっと廉の事、ちゃんと好きになっても良いかなって。」
「それは･･･俺は何て答えたら良いん？」
紫耀は俺の事、ちゃんと好きになってどうしたいん？
もしかして･･･さっきみたいにキスをして･･･。
その先があるって事？
「俺はちゃんと廉の事好きになって･･･それから･･･廉に俺の事好きになって貰って･･･。」
「え？」
俺も、紫耀の事好きになるん？
「俺と廉と、二人で好き同士になって･･･俺･･･廉と恋人になりたい。」
「こ、恋人？」
いきなり紫耀の口から出た言葉に頭が付いて行かん。
「うん。恋人。」
「それって･･･。」
「恋人になって、それで･･･もっと廉と･･･いっぱいキスしたい･･･。」
それって･･･俺といっぱいキスしたいから恋人になるん？
俺とキスしたいから好きになるん？
「それって･･･俺と･･･キス･･･したいから？」
さっきのキスは、ただ映画の雰囲気に流されただけやないの？
キスが出来れば別に俺や無くてもええんやないの？
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弥勒(プロフ) - ちゃ・むさん» 弥勒の作品を読んで頂き有難う御座います。『Shape of love』は今迄と違う設定で受け入れられるか不安でしたが、気に入って頂けたようでホッとしました。続編も考えていたので書いてみようかと･･･。ただリクエストが溜まっているので気長にお待ち頂ければ幸いです。 (2022年7月28日 0時) (
レス) id: 12c1df49ab (このIDを非表示/違反報告)
ちゃ・む(プロフ) - 初めまして！いつも楽しく短編集全て拝見させて頂いています。Shape of loveの設定・お話が好きなので2人のその後が読みたいです…！お忙しいとは思いますがタイミングがあれば是非検討していただけると嬉しいです！今後も応援しております！ (2022年7月21日 23時) (レス) @page19 id: 951fa2cf1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥勒
| 作成日時：2022年7月3日 0時
