Home Sweet Home ３５ (ページ43)

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１　If you think of you（勇太･紫耀･廉）ページ43

勇太side.

「はーっ。」

メンバーの紫耀と廉が二人揃ってでっかい溜息を吐く。

今日は朝から雑誌の撮影で、順にメンバーが現場にやって来るんだ。

俺が現場に着いた時には、紫耀と廉の二人はもう控室に居て。

分かりやすく二人は離れてお互いに背を向けて、別々の椅子に座っていた。

チラリと紫耀を見れば目が合って、すると寂しそうな顔をして首を横に振った。

次に廉を見ればこちらも目が合って、そして紫耀と同じように寂しそうな顔をして俯いてしまった。

はーっ、全くもう、ほんと世話の焼ける二人だ。

King&Prince(うち)のメンバーの紫耀と廉は、もうずっと長い間お互いに片想いをしている。

紫耀と廉が好き合ってる事は他のメンバー全員分かってるのに、当の本人達はお互いの気持ちに全然気付いてないんだ。

それは本当に分かりやすく言動に出てるのに。

まるでお互いが見えていないんじゃないかってくらいに気付いてなくて。

二人共あんな容姿なのに、全然自分に自信が持てないみたいで。

自分なんかが相手に好かれる筈無いって思ってるんだ。

お陰で他のメンバーはそんな二人を見ていつもイライラさせられて。

何度か気を利かせて紫耀と廉を二人きりにさせた事があるんだけど、陰でこっそり見てても物凄く不自然で。

二人は意識して緊張し捲って、全然喋らないしお互いの事を見る事も出来ないんだ。

子供の頃は二人共あんなにベタベタしてたのに、好きと気付いた時からどうも上手く接する事が出来なくなったみたいで。

ほんと、難儀な奴等だ。

「神、ちょっと良い？」

「うん、良いよ。」

俺が荷物をテーブルに置くと、紫耀が近付いて来た。

「あ、廉？自販機行くけど、何かいる？」

「いや、ええわ。ありがと。」

「そっか。んじゃ･･･。」

紫耀が廉に声を掛けたけど、廉は何もいらないって断って。

紫耀はそんな廉にちょっと寂しそうな顔をして。

そして俺と紫耀はそのまま二人で控室を出て、廊下の突き当りにある自販機コーナーに向かった。

ピッ、ガコンッ。

自販機でホットのブラックコーヒーを買って椅子に座る俺。

「はあっ･･･で、どうだったの？」

プシッっと缶のプルタブを開け、コーヒーを一口含み、一息吐いて訊いてやる。

「どうだったのって、言われても･･･。」

温かいお茶のペットボトルを買った紫耀がそれを持って俺の隣に座る。

プシュッっとペットボトルの蓋を開けて、お茶を一口含み、はあっと大きな溜め息を吐いた紫耀。