Home Sweet Home ３５ (ページ4)

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「なあ･･･そんなに辛いんならさ･･･もうやめとけよ･･･あいつなんかやめて･･･俺にしとけよ。」

「は･･･？」

メイクさんやスタッフさんも居なくなって、廉と二人きりになった隙に思わず声に出てしまった。

だって、俺だってずっと好きだったんだ。

廉の事が･･･。

でも、廉は紫耀の事が好きで･･･。

廉と紫耀は何年もお互いに片想いをしていて。

そして、俺達がデビューする頃、漸くその恋が実って恋人になったんだ。

だから俺は、廉が紫耀と結ばれて幸せになれるのなら、それで良いって。

廉が幸せなら･･･だから俺は･･･廉の事を諦めようとしたんだ。

無理矢理でも廉を諦めようと思って。

それなのに･･･。

「俺ならお前を･･･こんな風に辛い思いさせて泣かせたりしない。お前の事を誰よりも大切にする。」

廉の方に身体毎向いて、じっと見つめていった。

「はっ、何言うてんの？誰が泣いてんのよ。」

信じられないという顔で俺を見て、そして鼻で笑った廉。

でも、その瞳は激しく動揺していて。

「俺、本気だから。だって俺･･･お前の事･･･ずっと前から好きだったんだ。」

「え･･･？」

そうだよな･･･驚くのも無理はない。

ずっと伝える事は無いと思って隠していた想いだ。

でも、廉のそんな辛そうな顔を何度も見ていたら･･･もう黙っている事が出来なくなった。

「でも･･･お前はあいつの事を･･･だから･･･お前が幸せなら･･･俺だってちゃんと諦められたんだ･･･それなのにお前･･･あいつのせいで辛い思いばっかして･･･日に日に弱ってくみたいな･･･そんなお前･･･もう見てらんないんだ。」

「優太･･･。」

俺の大好きな澄んだ茶色の瞳が悲し気に揺れる。

「だから･･･もうあいつなんかやめて、俺にしとけよ。俺なら絶対にお前の事を大切にする。絶対にお前を泣かせたりなんかしない。俺が絶対にお前を幸せにするから。」

「ちょ、やめてよ、何言うてんの？いきなりそんな･･･そんな事･･･。」

俺の言葉を黙って聞いていた廉。

その内辛そうな顔をして、泣きそうな顔になって。

「廉、俺は･･･。」

「優太、あかんよ･･･だって･･･だって俺は･･･。」