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「はああーっ･･･もう、何してくれてんねん、ほんまにもう･･･後で謝っとかな･･･。」
「何で謝んの？だってあの人、マジで廉の事厭らしい目で見てたんだから！俺の廉なのに！」
「ああ！危な！前見ろって！」
運転中なのに俺の方を見てくるから慌てて頬を押して前に向かせる。
「大体廉は無防備過ぎるんだよ！俺がちゃんと注意してなきゃ！男は皆狼なんだから！皆が廉の事を厭らしい目で見てるんだから！」
「はあ？阿保な事言うな。俺をそんな目で見んのはお前くらいやわ。」
やっと前を向いて真面目に運転したかと思ったら、今度はまた可笑しな事を言い出して。
思わず溜息が漏れてしまう。
「俺だけじゃないの！もう、廉は全然自分の事分かって無いんだから。廉は綺麗だし可愛いし、優しいし気が利いて･･･他にも色々良い所あるけど、皆がそんな廉の事を好きになっちゃうんだから。それに廉は無意識で色んな人に距離近過ぎるし。もうっ、廉はほんと危なっかしいんだから。だからちゃんと俺が傍に付いててやんないと、いつか誰かに攫われちゃったりしちゃうんだから。だからずっと俺が傍で見張ってるんだから。」
顰めっ面して前を見据えて、こいつは一体何を言うてんやろう。
ああ、危ないって･･･そういう事？
え？先輩等まで俺の事･･･そう言う風に思ってるって事？
「え･･･待って待って･･･あのさ･･･先輩とかさ･･･いつも俺の事危ないから送ってくって言うんやけど･･･それってさ･･･そういう事･･･なんかな･･･？」
「そうだよ！って言うか、
「ええー？そんなん言うならお前かってやで？俺の知り合いにもお前の事狙ってる奴多いんやから。男も女も。」
自分ばかり文句を言われるのも分が悪くて、ブウ垂れる紫耀に文句を言ってやる。
俺かって周りの奴等が紫耀の事を好きとか格好良いとかいう度に、もやもやした気分になるんやから。
紫耀こそ皆の憧れの的やのに。
皆が紫耀に恋するんや。
そんな紫耀が･･･何で俺なんか･･･。
すると紫耀の車が俺のマンションの駐車場に着いて。
車を停めると紫耀は俺の方を向いて。
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作者名：弥勒
| 作成日時：2022年4月20日 0時
