Home Sweet Home ３５ (ページ13)

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「無理矢理じゃ無かったら良いのか？廉がお前が抱いてきた女の人達の事を思うみたいに、ただ俺に同情して抱かせてくれたら･･･。」

「そんな事･･･そんなの廉がする筈が無い！」

多分、廉はそんな事では抱かせてくれないだろう。

それは分かってるけど。

「分かんないだろ！だって、廉は傷付いてるんだ！お前のせいで！その心は滅茶苦茶弱ってるんだ！その弱みに俺が付け込んで･･･そしたら廉は･･･俺を受け入れるかもしんないだろ！？」

そうだ、もしかしたら･･･万が一にでも･･･。

「まさかそんな･･･まさか廉がそんな事･･･。」

掴んでいた紫耀の手が力無くパタリと落ちていく。

紫耀も俺が冗談で言ってるんじゃ無い事が分かったんだろう。

そして、今の廉の様子じゃあ、そんな事が本当に起るかもしれないと。

「だって、今の廉は普通じゃ無いんだ。お前のせいでどんどん弱って、精神的にも不安定になって･･･いつ壊れても可笑しく無いくらいに･･･。」

「廉が･･･俺のせいで･･･？」

初めて自分が原因だと気付いたみたいに。

ほんと、どんだけお目出たいんだよ。

どれだけ廉の事を見ていないんだよ。

お前のせいで、お前の目の前で、どんどん弱っていく廉の姿を。

「そうだよ。全部お前のせいだ。お前が廉を壊してるんだ。廉はお前が思ってる程全然強くない。廉はお前の事を守らなきゃって思ってるから･･･いつもお前の前では無理して強がってるだけで･･･ほんとの廉は物凄く繊細で傷付きやすくて脆くて･･･ほんとはどれだけ傷付いて弱ってるか･･･なのに、お前はそんな廉に気付かないどころか見てもいないんだな。」

「廉･･･廉が･･･俺のせいで･･･。」

紫耀の瞳が虚空を彷徨い出す。

漸く気付いたのか。

でも、もう遅い。

「なあ･･･頼むよ、紫耀･･･廉を解放してやってくれ･･･そうだ、お前から･･お前から廉と別れてくれよ･･･頼むから･･･あいつを自由にしてやってくれ･･･これ以上･･･廉を傷付けないでくれ･･･頼むから･･･。」

もう、頼む事しか出来なかった。

廉を自由にして欲しくて、紫耀から解放して欲しくて。

もう二度と、紫耀に縛られて廉が傷付き苦しむ事が無いように。

「頼むよ･･･紫耀･･･。」

「岸君･･･。」

紫耀にも俺の本気度が伝わっただろうか。

今にも泣きそうな目で俺を見てくる。