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お互い色々考えちゃって、いつもより更に緊張しているのだろう｡
二人きりの空間で、嫌でも期待が高まる。
既にお互いの気持ちは高まり合っていて。
でも、俺は廉に触れたいけど、躊躇っていた。
だって色々余裕が無くて、加減が出来無さそうで。
下手に触れて、廉を壊しちゃうんじゃないかって･･･。
今日は21時には仕事を終えて、二人で外で遅い夕食を済ませた｡
23時頃に廉の家に着いて、交代でシャワーを浴びて。
本当は一緒に浴びたかったけど、俺は色々我慢が出来無さそうだったし。
廉は廉で、心の準備とか色々あるみたいで。
そして二人共シャワーを浴び終わって。
リビングのソファに並んで座って、火照った身体を落ち着ける｡
･･･その筈が。
俺はこの後の展開を期待して、熱が高まっていくばかりだった｡
だけど正直、俺はどうして良いか分からなかった。
今まで仲間とかメンバーとしての付き合いだったのに。
いざ恋人となると、廉とどう接して良いのか分からなくて戸惑ってしまう。
迂闊にその身体に触れて良いものかどうか。
緊張の余り力が入って、華奢な廉を壊してしまうんじゃないかって心配にもなって。
触れたいのに触れられなくて。
だって、俺達はまだ･･･何にも始まっていないんだ。
恋人になってから、ほんとにただ短いデートしかした事なくて｡
この手に抱き締める事も、キスさえもしていなかったんだ。
それなのに、俺は今日･･･それ以上の事までしたい、なんて考えていて。
これってやっぱり、早過ぎるのかな？
全部一度になんて、欲張り過ぎ？
一個一個、進んでいかなくちゃ駄目なのかな？
そんな事をずっと考えて時間だけが過ぎていく。
「えっと･･･もう、寝る？」
「えっ？」
結構時間が過ぎていたようで、廉がそんな事を言った。
「あ、まだ寝たくない？」
「いや、行こう？ベッド。」
「うん･･･。」
俺の言葉に何か感じたのか、廉の頬が赤く染まる。
ああ･･･多分廉も同じ事を考えてる？
だって二人にとって、初めての夜だから。
二人手を恋人繋ぎにしてベッドルームに向かう。
それだけで俺の心臓は爆発しそうな程バクバクして、廉に聞こえちゃうんじゃないかって。
それに廉も緊張してるみたいで、繋いでいる手がヒンヤリしていた。
カチャリ。
ベッドルームのドアが開けば一瞬、廉の手に力が入った。
「廉？」
「うん･･･。」
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作者名：弥勒
| 作成日時：2021年11月6日 0時
