１ Preparation（しょうれん） ページ41
紫耀side.
「廉の事が好きです！俺のお嫁さんになって下さい！」
「ふははっ、何やねんそれ。えーと、不束者ですが･･･宜しくお願いします？」
緊張の余り、テンパった俺。
愛の告白をすっ飛ばした突拍子も無いいきなりのプロポーズに、笑いながら応えてくれた廉。
どうして受け入れてくれたのかは分からないけど。
俺と廉は、晴れて恋人になった。
Jr.の頃から一緒に活動してきた廉。
初めて俺達が出会ったのは、廉が中学生の頃。
その頃の廉は真っ黒で、丸い顔に大きな目がギョロギョロしてて、身体はヒョロヒョロでガリガリのオタマジャクシみたい。
お世辞にもイケてるとは言えない感じ。
それがいつの間にか俺の身長を追い越して、見た目も物凄く綺麗になって。
寂しがり屋で甘えん坊だった中身も、すっかり大人になって。(今でも時々その片鱗は見えるけど)
そんな廉の事を、俺が好きになるなんて･･･。
いつの間にか、廉の事を好きになっていた。
いつからか分からない。
ある日突然だったのかもしれない。
性別飛び越えてまで好きになるなんて･･･自分でもびっくりだ｡
メンバーとか男とか、そんな事がどうでもよくなるくらいに廉の事を好きになったんだ。
そしてある日。
溢れる想いが止まらなくなって、廉に告白してしまった。
廉は何を思ったのか、俺の告白を受け入れてくれて。
こんな奇跡が起こるなんて･･･俺は世界一、幸せな男だ。
そして･･･今俺達は、廉の部屋で二人きり。
並んでソファに座ってる。
「･･･何か、緊張すんな。」
「ふはっ、紫耀でも緊張するんや。」
「当たり前だろ？だって･･･大好きな廉と二人きりなんだから。」
「紫耀･･･。」
俺を見つめる廉の頬が、少し赤らんだ。
今まで何度か来た事のある廉の部屋。
恋人になってから初めてお邪魔する廉の部屋。
今日まで限られた時間で、食事やドライブとか短いデートを繰り返してきた俺達。
俺と廉は二人で会える時間を少しでも増やそうと、仕事をめちゃくちゃ頑張って。
明日はマネージャーに無理を言って調整してもらって、やっと手に入れた二人共のオフ。
そして迎えた、今日という日。
今日は廉の家に泊まるから、お泊りセットとか色々用意してきたし。
だから廉もきっと同じ事を考えている筈。
俺としては、今日少しでも、廉と先に進みたくて･･･。
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作者名：弥勒
| 作成日時：2021年11月6日 0時
