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「あ、廉？今日空いてる？」
「ん？これ終わったら何も無いけど？」
「じゃあさ、ちょっと俺に付き合ってくんない？飯行こうよ？」
珍しく神に飯に誘われた。
いつもなら
「･･･ええけど･･･。」
俺も腹が減ってたし、偶には神とゆっくり話すのもええかなって思って誘いに乗った。
そして仕事が終わって神が予約した店に行く。
連れて行かれた店はお洒落な雰囲気の和食屋さんで。
テーブルを挟んで座って部屋の中を見回す。
「へえ、ええ感じの店やん。」
「でしょ？廉の好きなタンもあるし、此処ってお米にも拘ってるんだよ。」
「そうなんや。」
神の言う通り、出てきたタンも白米もメッチャ美味かった。
そして一通り食事も済んだ頃･･･。
「あのさ、廉？今日はちょっと廉に話したい事があって。」
「ん？何？改まって、何や怖いなあ。」
ああ、その為に今日俺を飯に誘ったんか。
「俺･･･昔、廉の事･･･あんまりよく思ってない時期があってさ･･･。」
「え？」
話し出した内容はちょっと俺にはショックな内容やった。
「ほら、俺･･･昔、廉をわざと押し退けた事あったじゃん。」
「あ、あれって･･･わざとやったんや？」
話し始めたのは俺等がデビュー間近の頃の話。
世間で《じぐれん不仲》説が噂された時。
期間限定で開かれたKing&Princeショップ《King＆Prince SWEET GARDEN》をメンバー皆で見学している時や。
フォトコーナーに入った時、写真を見ようと壁側に寄った瞬間、俺は後ろから神にグイっと横へと押し退けられた。
いきなりの事やったから俺はだいぶよろけてもうて。
そしたら優太が俺を物凄く心配してくれて、俺は「大丈夫や」って言うて。
他のメンバーも心配したみたいで、玄樹もずっと俺と腕を組んで守るように傍におってくれたんよね。
「俺、あの後岸君に説教食らったんだよな。」
「優太に？」
怒ったとこ見た事が無いくらい温厚な優太が説教なんて。
「岸君、そういうのめっちゃ厳しいからね。『あんな事して廉が怪我したらどうすんだ』って。」
「そうなんや･･･。」
「玄樹にも怒られたし。廉に近付かないようにってずっと睨まれてたもん。それで俺もめちゃくちゃ反省して･･･何ガキみたいな事してるんだって。だって、廉は何にも悪くないのに。ほんと、自分が情けなくて仕方なかった。」
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作者名：弥勒
| 作成日時：2021年11月6日 0時
