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「ふっ、何だよ。お前迄寂しくなっちゃったのか？」
神は小さく笑った。
「あいつも今忙しいもんな。お前も会えてないんだろ？」
「それは･･･。」
俺の恋人も今ドラマや映画やCMと忙しくしていて、二人で会う時間もあまりなくて。
あいつも俺が居なくても、一人で結構行動出来ちゃう奴だから。
「お互いしんどいよな？一人で何でも出来ちゃう奴が恋人だと。自分の存在が必要なのかどうかって考えちゃってさ。」
「ん･･･。」
そうだ･･･考えてしまうんだ。
あいつにとって俺は本当に必要なのかって。
あいつの傍に俺は居て良いのかって。
「でもさ、一人で何でも出来ちゃう奴ってさ･･･一人になってふとした時に、物凄く寂しくなったりするんだよな。」
「え･･･？」
「だからさ･･･あいつがそんな風に思った時･･･俺がすぐ傍に居てやりたいんだ。」
その声は強くて、さっき迄の頼りなげな神は居なくなっていた。
「お前だってそうだろ？あいつが誰かを必要とする時、傍に居てやりたいって思うだろ？」
「ん･･･そうだな･･･。」
もしもあいつが俺を必要とする時、いつだって傍に居てやりたいって。
その華奢な身体を強く抱き締めてやりたいって。
俺がずっと傍に居るからって安心させてやりたいって。
「ふふっ、俺達二人共厄介な相手を好きになったもんだよな？」
「ははっ･･･そうだな･･･。」
「俺達って似てるからな。趣味も好きになる相手も。」
「ん･･･そうだな･･･。」
俺の神に対する気持ちは･･･俺自身の事を思っていたのかな。
まるで俺が俺自身の気持ちを確かめているように。
お前は･･･俺はそれで良いのかって。
答えは決まってるのに･･･分かってるのに･･･。
あいつから離れるなんて出来無いのに･･･。
「まあさ、時々今日みたいにさ、お互いにしんどい時はドライブしようぜ？あいつ等の事愚痴りながらさ。」
「ははっ、良いな、それ。」
神の提案に賛成して。
そして、ぽんぽんと神の背中を叩いてその身体を解放してやった。
「ありがとね、紫耀。」
「いや、俺こそ。何か、ごめん。ありがと。」
何なんだろ、お互いに礼を言い合ったりして。
何か変な感じだな。
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作者名：弥勒
| 作成日時：2021年11月6日 0時
