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「アーティストとして活動するのだってさ、玄樹ってセルフプロデュース上手くってさ。きっと休養してる間に色んな事一人で考えてたんだろうなって。」
「そうだな。」
「俺なんかが居なくても、玄樹は一人で充分生きていけるんだよ。」
やっぱり、寂しいんだな。
ずっと慕われていたのに、ある日突然いきなり頼りにされなくなるのって･･･。
俺もその気持ちがよく分かるから。
「ずっと･･･離れたく無かったのにな･･･ずっと俺の傍に居る筈だったのにな･･･。」
「･･･。」
玄樹が自分で考えて出した答えだ。
それは
「でもまあ、元気そうで良かったよ。俺達と一緒の頃は時々しんどそうだったから。」
「今は自分のペースで動けるからだろうね。俺達に合わせなくても良くなったから。」
玄樹がメンバーだった頃、
そんな日々があいつの心を苦しめていたんだろう。
「あいつにとって今が一番良い環境なんだ？」
「そうだと思いたい。」
ちょっと引っ掛かるような言い方をして。
「結局玄樹は何処でだって頑張り過ぎちゃうからさ。一人になった今、俺があいつをすぐ傍で見ててやる事が出来無いから･･･それがさ･･･。」
「心配なんだな？」
「うん。そんなあいつを俺が傍に居て止めてやれない事が･･･凄くもどかしい･･･。」
ああ、やっぱり玄樹の事が好きなんだな。
どんなに離れていても、どんなに時間が経っても･･･神には玄樹しか居ないのか。
でも･･･。
俺は車も人通りも無くなった路地裏でウインカーを出して車を停め、ハザードランプを付けた。
「紫耀？」
何にも無い場所で車を停めた事を不思議に思ったのだろう、神が俺を見て名前を呼んだ。
そして俺はシートベルトを外し、堪らなくなって神を抱き締めていた。
「紫耀？どうしたの？」
腕の中の神は戸惑っている。
「無理すんなよ。お前、時々壊れそうで見てらんないよ。」
「え･･･？」
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作者名：弥勒
| 作成日時：2021年11月6日 0時
