Home Sweet Home ３２ (ページ11)

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１　For those who love（海人･しょうれん）ページ11

海人side.

「もーっ、廉ってばそんなにツンツンしてると紫耀に嫌われるよ？」

「うっさいねん、ほんまもう、ほっとけや。」

今日の廉はご機嫌斜めで、話し掛けてもこんな調子。

「何？紫耀、まだ機嫌悪いの？」

「煩いなあ。ほっとけよ。」

あっちでも紫耀が神に八つ当たりしてるし。

紫耀と廉が喧嘩した。

小競り合いみたいのがほんの偶にある位なんだけど、今回はちょっと大きい喧嘩みたいで。

「あの二人、まだ仲直りしてないの？」

「うん。もう一週間くらいだよねぇ。」

神から溜め息交じりに話し掛けられて。

この一週間は仕事で毎日顔を合わせていたのに、二人は全く話さずお互いをずっと無視。

「まだ喧嘩してんのかよ。何だって今回はこんなに長引いてんだ？こういうのが嫌だから《グループ内恋愛禁止》って決めたのに。」

岸君も訳が分からず困ったような顔。

俺だって分かんないよ、二人に何があったのか聞こうとしても口を噤んじゃうんだもん。

多分、お互いの事を好き過ぎて、お互いの事を大切に思い過ぎて。

お互いの心が擦れ違ってしまったんだろう。

「あの、廉？紫耀の事なんだけど･･･。」

「ああ、もう別れたから。」

「え？嘘でしょ？」

紫耀と廉は付き合っていて恋人同士なのに、それなのに、喧嘩をして別れたって言うんだ。

「ホント？ホントに紫耀と別れたちゃったの？」

「煩いなあ、ほんまに別れたって。」

あんなに仲の良い二人が？

今迄喧嘩したってすぐに仲直りしてたのに、何で今回はこんなに拗れてるの？

しかも、別れたとか言ってるし･･･それはお互いが納得しての事じゃないだろう。

ただの勢いで言っちゃったんじゃないのかな。

二人とも素直なのに、時々ほんとに頑固なんだもん。

ほんと、面倒臭いったらありゃしない。

「廉？紫耀と別れたって、ホントにそれで良いの？」

「もう、ええって言うてるやろ？」

俺の言葉にイライラして。

もう、しょうがないなあ･･･。

「だったら、俺が貰っても良いよね？紫耀の事。」

「は？」

大きな瞳を更に大きくして俺を見た。

「廉とはもう別れたんだから、紫耀は今フリーって事だろ？」

「それは･･･。」

「だったら、俺が紫耀と付き合ったって何の問題も無いよね？」

ニッコリ笑って真っ直ぐに廉を見据える。