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香水やって、自分が付けている紫耀の好きな同じ香りのを付けろって言われて。
その香りは別に俺も好きやったからええんやけど、それを付けると、何かずっと紫耀が傍におるみたいに感じて落ち着かんようになるんや。
付き合い立ては紫耀に包まれてるようで、その香りにドキドキしてたのに･･･。
それに、俺が誰かと喋っていれば、紫耀はずっとその相手の人を睨み付けてて。
その人が紫耀に気付いて、怖がって俺から離れて行ってしまう事も屡々。
「何で怖がらすような事すんのよ。ただ世間話してただけやん。」
「だってあいつ、廉の事厭らしい目で見てたもん。廉の事誘惑しようとしてたもん。廉に近付く奴は全員絶対許さないんだから。」
そう言って男も女も関係無く、俺から人を遠ざけるような事をするんや。
それから紫耀は毎日のように俺に連絡してきて。
「今何してるの？今何処に居るの？今傍に誰か居るの？」
そんな事をしょっちゅう訊いてくるんや。
「何で電話に出てくれないの？まさか廉、浮気してんの？」
「いや、仕事中やん。」
メールや電話に出ないだけでそんな事を疑われて。
俺等の仕事は時間が不規則やから、絶対電話に出ろって言われても無理やし。
大体紫耀って俺と同じで面倒臭がりでマメやないから、彼女が出来ても毎日連絡すんのはしんどいって言うてたんよ？
せやのにこれは一体どういう事やねん。
「廉、何処行ってたの？」
「何処って、仕事してたんやけど。」
「何でホテルなんかに居たの？」
「は？ホテルって･･･雑誌の撮影場所なんやけど･･･って言うか、何で俺の居場所知ってんのよ？」
「それは･･･GPS入れたから。」
「は？GPS？」
マネジャーにでも聞き出したんかと思ったのに、そんなもんいつの間に入れたんやろう。
ソロの仕事で都内の有名なホテルの一室で、女性雑誌の撮影をし終わって。
その後メンバーに合流した時に、ホテルに居たからって早速紫耀に浮気を疑われて。
他のメンバーも「また始まった」って俺等を遠巻きに見とるし。
おまけにいつの間にか俺のスマホにGPSなんか入れとって。
紫耀は馬鹿正直やからGPS入れたなんて俺に言うてもうて。
俺かって別に疚しい事なんて何も無いけど、勝手にそんなん入れられてめちゃめちゃ気分が悪い。
紫耀に信じて貰えてないんやって、疑われてるんやって思って。
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作者名：弥勒
| 作成日時：2021年11月6日 0時
