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「それにさ、お前等の間には何物にも代えられない絆みたいなのがあるだろ？」
「絆？」
色んな事を乗り越えてきた二人だから、その関係は誰にも壊す事は出来ないんだから。
「分かってる･･･分かってるんだけどさ。日に日に廉が魅力的になってるように見えてさ。そんな廉を皆が好きになって･･･そしていつか誰かに取られちゃうんじゃないかって･･･。」
ああ、紫耀もそんな事を思うんだ？
いつかの俺が思っていた事を。
「ふふっ、あのさ･･･廉も同じ様な事言ってたよ？紫耀が格好良過ぎて誰かに取られるかもって。」
「え？廉が？」
この二人は本当によく似ている。
お互いを想い過ぎて、不器用で、臆病で。
「廉が･･･そんな事･･･？」
「廉ってさ、お前が思ってるよりお前の事好きだからな？」
チラと、こちらが気になるのだろう、俺達の方を見てる廉。
視線がぶつかれば慌てて目を逸らすのが可笑しくて、可愛くて。
「ほら、本番まで少しは楽になるように、廉にマッサージでもしてあげたら？」
「･･･うん･･･うん。そうだよな。」
嬉しそうな顔をして廉の所に向かう。
「は？何すんのよ？あっち行けって。」
「そんな事言うなよ。ちゃんとマッサージしてやるから。」
「いらんわ！」
なんて、口ではそんな事を言いながら嬉しそうな廉がまた可愛くて。
ほんと、二人の事が可愛くて愛おしくて仕方ない。
俺、この
「もしもし？」
『もしもし？どうしたの？何か楽しそう？』
その夜、久し振りに声を聞く俺の愛おしい
少し舌っ足らずな甘い声。
俺の･･･玄樹。
仕事が終わって家に帰って、堪らなくなってすぐに電話してしまった。
「うん、あのね･･･？」
今日起こった事を色々話して。
『ふふっ、ほんと、二人共可愛いね。』
楽しそうに笑う声を聞くと安心する。
「体調はどう？」
『うん、だいぶ良いよ。今は落ち着いてる。』
病気療養中の玄樹は、最近はだいぶ具合が良いらしくて。
「ねえ･･･。」
『うん？』
楽屋であんな可愛い二人を見ていたら、俺も羨ましくなってしまった。
･･･大好きな人が傍に居る事。
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作者名：弥勒
| 作成日時：2021年2月13日 0時
