Home Sweet Home ２３ (ページ23)

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分かってる。

紫耀が俺の事を好きになるなんて無いって事。

「俺は･･･これから先も･･･ずっと廉の事だけが好きだから。」

思った通りの答えが返ってくる。

「廉は振り向いてくれないよ？だって廉には他に好きな人が･･･。」

「良いんだ。俺がただ廉を好きなんだ。」

残酷な言葉を投げ付けても、紫耀はそれを受け止めて。

それでも廉だけを想い続けると言うんだ。

何て残酷な事を言うんだろう。

だったら俺も覚悟を決めてるんだから。

「紫耀がそう言うなら･･･それでも良いよ。俺は廉の代わりで良いから。」

「駄目だって。俺にはそんな事出来ないから。」

恋愛に関してちょっと潔癖な所がある紫耀だから、そんなの駄目だって言うに決まってるのに。

「どうして？廉は絶対に紫耀のものにはならないよ？廉の心は別の人にあるんだから。紫耀の事を見る隙なんてこれっぽっちも無いんだよ？」

「やめろ。」

俺はもっと紫耀を痛めつける言葉をぶつけるんだ。

紫耀に酷い言葉を投げ付けて傷付けて。

そして心がボロボロになってしまえば良いのに。

そしたら俺が傷付いた紫耀を慰めてあげるのに。

俺がいっぱい愛してあげるのに。

「俺なら紫耀の事いっぱい愛してあげられるよ？紫耀の言う事何でも聞いてあげる。俺の事、何でも紫耀の好きにして良いんだよ？」

握っていた手を俺の胸に押し当てる。

「だから、そんな事出来ないから。」

その手を振り解かれてしまった。

「何なら、身体だけでも良いよ？心は廉のものでも。紫耀の身体だけでも俺に頂戴？」

「お前、自分で何言ってるか分かってんのか？」

可笑しな事を言ってるのは自分でもよく分かってる。

でも、それでも良いと思うくらい･･･俺の心はもう疲れ切ってしまったから。

「分かってるよ。セフレでも良いって言ってんの。紫耀の好きな時に、俺の事を好きなように、無茶苦茶に抱いて良いって言ってんの。廉の代わりに･･･。」

「俺は･･･そんなの無理だよ。」

俺を拒絶するそんな紫耀の首に、腕を纏わせて上目遣いに見つめてやった。

でも、そんな事をしても紫耀の心はびくともしない。

その瞳は廉だけを想って揺らぐ事は無い。

やっぱり、恋愛に真面目な紫耀はそういう事をしたいとは絶対に言わないんだ。

気持ちが無い相手を、ただ欲望に任せて抱いたりは出来ないんだろう。