Home Sweet Home ２３ (ページ22)

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その瞳はずっと廉の事を追っていた。

だから嫌でも気付いてしまった。

だって俺はずっと紫耀を見ていたんだから。

「良いんだ、それは。紫耀が廉の事を好きだって。それでも俺は紫耀の事が好きだから。」

紫耀は黙って俺の言葉を聞いていてくれる。

「だけどね？振り向いてくれない人をずっと想うより、好きだって言ってくれる人と付き合う方が楽じゃない？」

ただ思い続ける事がどんなに辛いか。

それは俺が一番分かっている。

「･･･そんな簡単じゃねえよ。」

きゅっと唇を噛み締めて。

紫耀だってそれは嫌という程分かってるんだ。

「それはそうだろうけど。でも、楽になりたいとか考えない？辛い思いから解放されたくならない？」

「･･･。」

視線が彷徨う。

やっぱり･･･紫耀だってそう思う事があったんだ。

誰だって辛い思いはしたくないんだから。

「俺なら紫耀の事幸せにしてあげられるよ？紫耀の事を大事にするし。俺の事、紫耀の好きにして良いんだよ？」

「何言ってんだ。お前はそれで良いのかよ。そんな･･･身代わりみたいな事。」

恋愛に対して真面目な紫耀には分からないかな？

でも、俺はもう疲れちゃったから。

振り向いてくれない人を、ただ想い続けるのを。

ただ俺を見てくれるのを待っているのを。

「良いよ？紫耀が廉の事好きなままでも。少しでも俺の事を好きになってくれるなら。俺が一番じゃ無くても良いんだ･･･俺が二番目でも･･･。」

だから･･･俺の事を想ってくれなくても良いって。

俺の事をただ利用してくれるだけでも良いって。

ただ、少しでも紫耀の近くに居たい。

･･･ただそれだけ。

その為ならどんな風に扱われても良いって。

紫耀の傍に居られるなら･･･。

「お前･･･何でそんな･･･。」

「だって好きなんだもん。紫耀の事。どうしようもないくらい。少しでも紫耀と一緒に居たいんだもん。紫耀の傍に･･･。」

紫耀にだって分かる筈･･･こんな俺の気持ちが。

紫耀だって同じ事を想った事がある筈。

どんな形でも好きな人の傍に居られるならって。

「無理だよ。お前の事･･･そんな風になんて見れないよ。」

「今すぐじゃなくて良いんだ。いつか･･･少しでも俺の事を好きになってくれたら。」